
▽明治17年以前 戸長の自宅
▽18年4月 元善町の旧宝勝院
▽18年7月 長野町404番地旧宝林院念仏堂(現城山小学校構内)
▽20年2月 長野町第642番地旧裁判所勧解廷跡
▽22年4月 (市制・町村制による長野町発足)役場の位置は前と同じ
▽27年10月 現城山小学校構内校門通路北側に長野町役場新築
▽30年4月 (長野市制施行)長野町役場を市役所としてそのまま使用
▽31年11月 大字長野若松町1028番地に市庁舎落成
この中で画期的なことは、1894(明治27)年の長野町初の役場専用建物の新築であります。さらに97年3月、長野市制実施直後の町議会では、新しい敷地を求めての市役所建築が決議されました。やがてこの決議に基づき、若松町通りの空き地に総工費8761円1銭2厘で洋館の庁舎を建築することが決まりました。
市庁舎建築の起工は98年1月15日に行われ、6月には骨格工事が終わり、丹波島方面から遠望すると、これが長野市役所かと識別できるほど雄大な建物でありました。
待望の新庁舎落成式は11月13日に行われ、信濃毎日新聞はその景況を詳しく報道しました。その概要を摘録すると次のようでした。
▽正面入り口の飾り、石門前に大きなアーチ、国旗を交差、菊花の「祝賀式」の額、アーチの両側に山形に積んだ4斗樽
▽式場 議事堂の大広間で、よく茂った蒼松を生けた大花瓶
▽来賓 岡山知事、県会議員、隣村長、紳士、新聞記者、市吏員、市会議員、区長
▽式次第 (1)君が代奏楽(2)佐藤市長開庁の式辞(3)祝辞(岡山知事・波田腰県会副議長・高松信濃毎日新聞社員・渡辺長野学校長)
▽城山館の祝宴会・来賓総数500余人
その日は各町でも出し物を繰り出し、万歳の声が辺りにこだましたのでした。
佐藤八郎右衛門の項おわり
(2010年3月13日掲載)