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081 諏訪神社(上)〜急な参道にはヒーターも

81-rekishi-1107.jpg 県内の神社の参道で1番は戸隠奥社の杉並木だろう。深山幽谷の神域を満喫できる。さて2番目は? ちょっとユニークな諏訪神社を紹介しよう。

 長野市街から西北を眺めると、山頂に月形の傷崖のある山が郷路山。その山麓に鎮座する神社だ。新諏訪町の国道から山側へ向かい参道に入るのだが、初めての人は急坂に驚く。

 歩けば胸突き、自転車に乗っては上れない。車は真後ろにひっくり返りそうな恐怖感に襲われる。写真のように鳥居の右脇に道があり、地元の車はソロソロと上り下りする。

 参道を下ってきた老婦人は「この道はヒーターが埋めてあるのよ。雪の日でもカラカラに乾くから下駄で散歩できるのよ。便利でしょ」。融雪の熱線入り参道は初体験だ。

 各地の寺社の参道には参拝者の気持ちを引き締める演出がある。伊勢も鹿島も明治神宮も、長い玉砂利の参道が印象的だ。この通称「お諏訪さん」も、参道の先に何があるかドキドキさせられる。参道よし、社杜(森)よし、社殿よし。日露戦争のとき、ロシア軍から奪った榴弾を飾った石塔台も残る。 

 中でも秋祭りの奉納煙火はハンパでない。小学生の時、初めて仕掛け花火を拝見して度肝を抜かれたことを覚えている。標高624メートルの郷路山山頂まで400〜500メートルの鉄線が張られ、その間を着火ロケットが飛ぶ。全山仕掛けの火の山となって迫ってきた。

 「おとなの火遊びってスゲー!」とびっくり仰天だった。この奉納煙火は今年も9月23日に繰り広げられた。
(2009年11月7日号掲載)
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