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21 ドイツ フランクフルト 〜町で感じるドイツ人気質〜

21-kaigai-1127m.jpg ドイツ第2の都市・フランクフルトは金融の中心地。マイン川のほとりにあるため、正式名称は「フランクフルト・アム・マイン」(マイン川沿いのフランクフルトの意)。

 観光的には、目玉となるものは多くない。レーマーベルク広場にある切り妻屋根の旧市庁舎や、文豪ゲーテの生家など。マニア向けなら、ドイツ郵便博物館やフィルム博物館、建築博物館。1キロにわたって露店が並ぶザクセンハウゼンも有名だ。ここは、16世紀の姿を今に伝える下町で「エッベルヴァイ」の居酒屋が軒を連ねている。エッベルヴァイとは、この地方の方言で「アップルワイン」(=りんご酒)のことだ。

 ここを通るのが、名物エッベルヴァイ・エクスプレスだ。エクスプレス(急行)と言っても、一両編成の路面電車で「りんご酒電車」と呼ばれる。500円程度でりんご酒と塩味のスナック菓子プレッツェルが付いてくる。週末の午後、30分ごとに走り1周50分。駅の案内所で「路面電車に乗ってみたい」と申し出たところ、この電車を紹介された。

21-kaigai-1127p.jpg とことこ行くのが何とも楽しい。真っ赤な車体には、文豪ゲーテの肖像画や花の絵などがカラフルでメルヘンチック。子どもがこの電車を自転車で追い掛けたり、外国人旅行者と一緒になったりで、りんご酒によるほろ酔いも手伝って陽気になれる。乗り降り自由なのがいい。夕方には居酒屋状態にもなる。

 私たちは、動物園で下車した。小雨が降っていたこともあり、やや寒かった。市内の子供連れと仲良くなった中で、思わぬ光景にも出くわした。子どもが悪ふざけをしていると、見ていた大人が注意する。その子どもと大人は他人同士。そうした情景を何回か見掛けた。その大人たちは「子どもは社会で生きていることを大人が教えないといけないから」と当然のように言った。日本人には耳の痛い話だ。

 そういえば、犬に関しても驚いたことがある。散歩に行く犬は飼い主の横にピタリと付いてキョロキョロしない。散歩中の男性に聞いたら「ドイツでは家庭で犬を飼う場合、調教師に3回は預けて訓練します。だから飼い主に忠実であるように教育されているのです」。

 パリで一時よく見られた「道を3歩歩くと犬の糞」状態はありえないのだという。これもドイツ人の几帳面さの表れだろうか。ドイツの観光地は絵はがきと同じようにきれいだ。ごみが散乱していない。

 こうした厳格な姿勢は、日常生活でも見受けられる。ロマンチック街道へのガイドをしてくれた日本人のマルクス和子さんは「アパートでは夜10時を過ぎたらシャワーの使用は禁止。下の階に聞こえるから」と、制約が多いことも指摘した。快適な生活には、不便の覚悟も必要ということか。
(2010年11月27日号掲載)

=写真=「りんご酒電車」は子どもたちにも人気

 
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