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20 一人一人違う理解力のバイタブル・サイズ

 ひらめきを起こしやすくする助けの一つ目は「イメージを起こす助け」でしたが、二つ目は、質問を細かく分解するという助けです。

質問を分解して答えへ導く
 ハンバーガーショップで、小さな子どもがハンバーガーにかぶりついているのを見るとき、「食べにくそうだな」と感じることがありませんか? 実際、子どもにとっては(大人にとってさえ)、「パン-肉-パン」の3層を一度に口に入れることはとても大変です。そのまま無理して噛みつこうとすれば、ハンバーガーはバラバラになって、おいしさもどこへやら。

 そんなとき、3層一緒でなくていいから、「お口に入る量だけ、少しずつかじってごらん」とアドバイスすると、上手に食べきることができます。

 Bitable Size(バイタブル・サイズ)とは、「一口で噛みつけるサイズ」という意味です。どんな問題であっても、すぐに理解のひらめきが起こる子どもは理解力のバイタブル・サイズが大きく、そうでない子どもはサイズが小さいということができます。

 教える側に必要となるのは、子どもそれぞれのバイタブル・サイズを把握し、サイズが小さめの子どもに対しては、取り組んでいる質問をより小さな質問に分けてやることです。

 「8+7=?」は、足し算を習い始めた小学1年生にはまだ難しい問題です。しかし、問題を分割することによって、答えにたどりつきやすくなります。たとえば、「8は、あといくつ足すと10になる?」「2」「じゃあ、7から2もらうと、いくつ残る?」「5」「そうすると、8+7は10+5と同じだね」「あっ、そうか、だから、15だ!!」

 ひらめきは「おいしい」体験です。一つの大きい質問に対してひらめきがなかなか起こらないよりも、小さないくつもの問いにひらめきを重ねた方が、「おいしい」体験を多く持つことができ、考え続ける意欲とひらめく力は強くなっていきます。

 階段も同じことです。1段の高さが高い階段は、上るのが大変ですが、低いと、階段数は増えるのですが、ずっと上りやすくなります。「分からない!」と苦しむ子どもは、目の前の階段の1段の高さが高すぎるのです。「ひとりで上れ」とお尻をたたくのではなく、1段の高さを低くする手助けをしてあげてください。

 ちなみに、掃除も同じです。散らかり、汚れきった家を掃除しようとするとき、一度にすべて掃除しようとすれば、1段がとても高い階段を上るようなもので、スタートする前から気持ちがめげてしまいます。そんなとき、今日はまず新聞だけ片付ける。明日はトイレだけ、などと掃除したい全体を細かく分けて考え、1回に取り組む目標を小さくしてみてください。ずっと、早くきれいになりますよ。

(2009年10月24日号掲載)
 
たてなおしの教育