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22 しかるのではなく理由発見を援助

 算数の問題で、間違いをしたとき、お子さんは、その間違いをどのように取り扱っているでしょうか?
 自分の解答を消しゴムで消したり、間違った解答の上に赤鉛筆でぐしゃぐしゃと線を書いて、解答が見えないようにしてしまってはいませんか?

間違いはダイヤの原石
 「間違い」は望ましいものではありません。間違った解答が多ければ、テストの点数は低くなり、親にはしかられ、自分でもがっかりする、などを考えると、間違いを消してしまいたくなる気持ちはよく分かります。しかし、間違いをそのように取り扱うことは、宝をどぶに捨てるようなものです。

 掘り出されたばかりのダイヤモンドの原石は、岩の破片や泥にまみれていて、それが後に光り輝く高額な宝石となるとは到底想像できないような代物です。しかし、周りの不純物を削り落とし、洗われ、磨かれることによって、次第に光を放つようになっていきます。しかし、ダイヤの存在に気付かずに、「泥にまみれた汚い石」だからといって捨ててしまえば、それまでのことです。

 間違いはダイヤモンドの原石に似ています。間違ったとき、「なぜ、間違ったのか?」を問い、分析することによって、間違いの原因を発見できると、順調に正解を出した場合よりも多くを学ぶことが可能になります。つまり、子どもたちは、その問題の仕組みをより深く理解するだけでなく、その問題と同質の問題への間違いの可能性や、自分の「理解するプロセスの弱点」などを発見することができるからです。

 たとえば、「1本に2デシリットル入っている缶ジュースを5本買いました。5本合わせたジュースの量は何リットルですか?」という問題に「『0.01 リットル』って答え書いたら、間違ってたよ」とお子さんが報告してきたとき

母「どうして間違ったのかな?」
子「うーん、分からない」
母「1デシリットルは何リットルなの?」
子「1000分の1リットルでしょ?」
母「そうかな?」
子「えーと...、あっ、違う!1000分の1リットル は、1 ミリリットルだ。あ、そうか、そこで間違えてたんだ。1デシリットルは10分の1 リットルだ。だから、0.2(リットル)×5=1(リットル)だ!」
母「ピンポーン。ミリリットルとデシリットルって、間違えやすいね」
子「ぼく、ミリリットルとデシリットルって、同じようなものだって、思い込んでたんだ」
母「でも、これでほかの同じような問題で間違わなくて済むね」

 間違いの理由発見には援助が必要です。そのためには、お子さんが間違いをしたとき、「ダメじゃない!」としかるのではなく、「一緒に、間違いの理由の宝探ししよう」と言ってあげてみてください。そうすれば、間違うことを恐れずに、問題に取り組む姿勢が生まれてくるのではないでしょうか。どうか、くれぐれも、ダイヤの原石をごみ箱に捨てさせることがありませんように。

(2009年12月19日号掲載)
 
たてなおしの教育