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24 「学習ナビゲータ」に導かれて勉強

 もう一度、別の角度から以前取り上げた「ナビゲーター」の話をします。「何が『分かっていない』のか『分からない』」という、二重の「分からない」状態に陥っている子どもを助けるにはどうしたらよいのでしょう。

進み方教えるカーナビ
 知らない土地に車で行くとき、カーナビがあるとなぜ運転がしやすいのでしょうか。それは、カーナビが、「地図全体のどこにその車がいるのか」の理解に基づいて、次の適切な進み方を知らせてくれるからです。

 「メタ認知(メタ理解)」と呼ばれる知性の働き方があります。「現在自分が、何をどのように『理解』しているか」ということを「理解」しようとする働きです(「メタ」とは、「〜を超えて」という意味のギリシャ語)。  

 例えば、家の大掃除をするときに、「窓を拭く」「押し入れを整理する」といった一つ一つの掃除のやり方を「考えながら」(個別の理解)行いますが、それと同時に、どの種類の掃除を、どの順番で、どの程度掃除するのか。そして、必要となる時間とエネルギーの計算、全体の進行状態など、掃除全体の「段取り」と「現在位置」も考えているはずです。このような、「個別の理解を超えた、全体についての理解」が「メタ理解」です。カーナビ(car navigator)は、このメタ理解の働きに似ています。

 勉強にもナビゲーター(navigator)が必要です。

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 「自分が何を理解していて、何を理解していないのか」「どの問題に、どの順番で取り組めばよいのか」「自分のひらめきの力は強いか、弱いか」「どのような種類のヒントが自分にとっては助けになるのか」「何をどのくらい勉強すれば、○○という目標を達成できるのか」「今、自分はどこまで進んでいるのか」
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 二重の「分からない」状態にいる子どもたちは、これらの問いに自分で答えることが苦手です。答えられないからこそ、「訳が分からなく」なっているのです。この状態から子どもたちを助け出すために、教師や親が「学習ナビゲーター」になることが必要なのです。

 「学ぶ」という行為は、見知らぬ土地で車を運転することに似ています。先生やお母さん、お父さんという「学習ナビゲーター」に導かれて運転することを重ねることで、子ども自身の学習ナビゲーション(自分の学習を操縦する)能力が少しずつはぐくまれ、自分で「勉強という運転」を楽しむことができるようになっていきます。

 今、急に、ナビゲーターとなる自信のないお母さん、お父さんは、まずは、枠内のような、学習ナビゲーションに関する質問を子どもと一緒に考え始めることをお勧めします。

(2010年2月27日号掲載)
 
たてなおしの教育