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30 振り返って(上) 〜ふとした出会いが仏紙に〜

30-kaigai-0409p.jpg 昨年3月、イタリアから始まりスペイン、フランス、スイス、オーストリア、ドイツ、デンマーク、イギリス、オランダのヨーロッパからアメリカ、そしてアジアの台湾と韓国まで29回連載してきた。

 旅のトラベルtravelは、心配事のtroubleと語源は同じ。外に飛び出せば戸惑うことが多い半面、思いがけない出会い、発見や驚きwonderがあり、それがワンダフルwonderfulにつながる。

 昨年暮れに、分厚い封筒が我が家に届いた。フランス・ブロア市のホテルのママさんからで、中には地元ロアール地方の新聞「ラ・ヌーベル・レプブリック紙」が入っていた。40ページあるうちの8ページ目のトップに、こんな見出しが躍っている。

 『ホテル・サボアが日本でも有名に(L'hotel Le Savoie"star"au Japon)』
 きっかけは、昨年6月19日付『私の海外交友記(9) ブロア』の紙面で、私たちの荷物10個余りを無料で預かってくれたホテルを紹介した記事。その新聞を11月に送った。別便で温湿布50個入りの箱も。 先方の記憶違いもあるが、同紙の記事はこうだった(和訳は教え子の大阪市立大講師の中條健志さん)-。

 3年前、レネ夫妻が経営するホテルに日本人旅行客が入ってきて「荷物を預かってほしい」と言った。彼は礼儀正しく、大変感じがよかったので特別にオーケーした。預かり料を払いたいと言ったが、レネ夫人が「その必要はない」と言うと、彼は驚いていた。

 日本人グループは、1人2、3個の荷物を持っていて小さな山のようになった。帰りに荷物を取りに来て一緒に写真撮影をした。彼らの帰国後、夫妻は長野の東海周二と記された日本人からの手紙を受け取った。そこには一緒に撮った写真が入っていた。夫妻はお礼の手紙を送った。

 先週(12月初旬)、日本から新たな封書が届いた。そこには3年前の写真が掲載された長野の新聞(週刊長野)が入っていた。東海周二氏は手紙の中で、その新聞にフランスでの旅について書いたこと、また夫妻に新聞を送ることができて大変誇らしいと思うと書いていた。

 以前、レネ夫人は、東海氏からもらったカイロ(貼る温湿布)で腰痛が和らいだことがあった。手紙には、東海氏が同じ品を送ったことも書かれていた。

 「この仕事をしていると、いつも美しい出会いがあります。手紙や贈り物を頂いたりします。けれど今回のことで驚いたのは、彼らがうちの宿泊客ではなかったことです。私たちは東海氏と出会えてとてもうれしい。彼はまたブロアに来て、私たちのホテルに泊まると約束してくれました」
(2011年4月9日号掲載)

=写真=週刊長野に載った記事を見るレネ夫妻
(ラ・ヌーベル・レプブリック紙より)

 
私の海外交友記