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30 その時々にはバラバラにしか見えない知識だけれど

 ジグソーパズルのピースは、最初はバラバラで、それぞれが一体絵のどの部分なのかを知ることはできません。しかし、ピースが組み合わされてくると、少しずつ絵が見え始めることでワクワクし、そのワクワク感に押されて徹夜してでも完成させたりします。

 ひらめきは、バラバラのピースを組み合わせる接合力に例えることができます。

ひらめきは接合力
 何か新しいひらめきが起こることによって、それまでに獲得していた、一見何も関連がないように思われていた知識やデータの間に、実は関連があることが分かってきます。

 有名な例を一つ。17世紀、アイザック・ニュートンに起こった一つのひらめきは、「(天体の)惑星の動き」と「(地上で)物が落ちる現象」という、それぞれまったく関連がなさそうに思われていた現象が、「万有引力」という共通性質によって「つながっている」ことを明らかにしました。

 では、日常の簡単な例。子どもたちが、ここ数日、帰宅すると隠れてコソコソと何かしている。そして、お隣さんから「お宅のご主人を花屋で見掛けましたよ」と聞かされたとします。その夜、「ありがとう、ママ!」という言葉と一緒に、空き瓶に色紙と絵の具で装飾を施した花瓶に入った赤のカーネーションが差し出されます。

 その瞬間、「あっ、今日は母の日だったんだ!」と分かり、「あー、だからか」と、「子どもたちの不可解な動き」と「花屋での夫」という無関係なデータが結び合わさり、深く納得します。

 子どもたちが「何のために、こんな勉強しなくちゃいけないの?」と口にすることがあるはずです。それは、学習過程の子どもたちは、全体像が見えない状態でジグソーパズルに取り組んでいるようなものだからです。日々身に付けるように促される知識は(科目によって程度の差があるにせよ)、その時々にはバラバラにしか見えません。そのため、部分的であっても知識やデータのつながりが見えてこないと、勉強を続ける意欲を失いかねません。

 しかし、一つの問題、例えば、「割合」の仕組みが分かると、「スーパーの『5割引き』って、値段が半分になることなんだね」と、それまで分からなかった言葉の意味が分かり、つながってきます。

 お子さんが、「勉強、つまんない...」と言うことがあったら、「『百分率』が分かると、イチローの『打率0・352』の意味が分かってくるよ」などと、一つの「分かった!」が、ほかの「分かった!」につながり、広がっていくことの面白さに気付かせてあげてください。

(2010年8月28日号掲載)
 
たてなおしの教育