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35 「分かる」の喜び 頻繁に褒めることで増幅

 「褒める」の次のステップは、「小さな」ひらめきを「頻繁に」褒めるということです。

 「何か大きなことを達成したら褒める」ことは「すでにやっている」とおっしゃる方が多いかもしれません。では、日常の「小さな」ひらめきを、どれほど「頻繁に」褒めているでしょうか?

 ストーブで、まきに火を付けることは、意外に難しいものです。慣れていないと、太いまきの下に丸めた新聞紙だけを置き、火を付けて、風を送ります。新聞紙は勢いよく燃え上がるのですが、すぐに燃え尽きて、まきにはほとんど火が付きません。しかし、新聞紙の上にまず細い枝、その上に少し太めの枝を乗せて火を付け、少しずつ断続的に風を送り続け、これらが順を追って燃え盛ったところへまきを乗せるのです。まきにいったん上手に火が付けば、安定して燃え続けるようになります。後は、燃え尽きないように時々まきを補給し、風の流れを確保すればよいだけになります。

 「大変難しい問題を解いた」「定期テストで高得点を取った」など、特別なことを達成できた時には褒めるが、それ以外の時はほとんど褒めることがない-。 

 それは、ちょうど紙だけでまきに火を付けようとすることに似ています。威勢よくあおげば一時的に炎は燃え上がりますが、すぐに消えてしまいます。

 大きなひらめきが起こるためには、小さなひらめきの積み重ねが途切れずに起こること。そのために、2つのステップが必要です。

 まず、取り組む問題(7+8=?)を、簡単にひらめきが起きそうな小さな部分に「分割」することです。これで、ひらめきの数が増えます。次のステップは、数の増した「小さな」ひらめきを「頻繁に」褒めることです。

 例えば、7にいくつ足すと10になる?↓「3」「そうだ!」(1)、8-3は?↓「5」「その通り!えらい」(2)、じゃあ、10+5は?「15!」「できたじゃない、すごいね!」(3)、というふうに。ひらめきの達成に伴う喜びは、褒められることで、2倍にも3倍にも膨れ上がります。「分かる、できる↓褒める」のやりとりが数多く繰り返されると、喜びの増幅される回数が増えるため、その喜び欲しさに、持続して考えることに耐えやすくなり、難しい問題への大きなひらめきも起きやすくなってきます。ちょうど、細いたき付けに少しずつ、丁寧に風を送り続けて燃やすことで、太いまきに火が付いて燃え続くように。

 日々の宿題などで「分かった!できた!」という子どもさんの声を聞くたびに、それがどんな小さなひらめきでも、小まめに褒めてあげてください。

(2011年1月29日号掲載)
 
たてなおしの教育