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40 「英語ができる」レベル

 〜上のレベルへ行くほど 精密な英文法の理解必要〜

 どの言語にも表現の複雑さのレベルがあります。「英語ができる」ようになりたいというとき、皆さんはどのレベルを頭に置いていますか?

 幼児の「ママ大好き」という発言と、高校生の「俺、隣に座っているやつが時々俺に言う言葉の意味を考えるんだけど、あいつが俺のことを変なやつだって思ってるらしいってことが最近分かってきたのさ」という発言とでは、同じ日本語でも、文構成と内容の複雑さが異なります。英語でも同じことです。

 TOEIC という英語の試験は、「英語の実力レベル」を5段階(A〜E)に区分しています。
Eレベルは「Hello」「Thankyou」という片言のレベル
Dレベルは、海外旅行に行ってホテルのチェックインや簡単な買い物ができるなど、最低限の日常生活の会話ができるレベル
Cレベル(およそ英検2級に相当する)は、辞書さえあれば一般的な本や英字新聞を読むことができ、限定された範囲での「仕事上のやりとり」ができるレベル
Bレベルは、自分の専門に関する文献を読みこなすことができ、専門的な業務のやりとりができるレベル
Aレベルは、どのような分野に関しての文献も不自由なく正確に読むことができ、「聴き話す」力がネーティブスピーカーにかなり近いレベルです。

 これらレベルの違いを生む理由はどこにあるのかと問うと、「単語力」という答えが返ってきがちなのですが、単語以上に重要な違いがあります。それは、上のレベルへ行けば行くほど、精密な英文法の理解と、その理解に基づいた「読み書く」力が必要になるという点です。

 お子さんが積み木で背の高いお城を組み上げようとしたとします。しかし、30センチくらい積んだところで、ガラガラと崩れてしまい、何度やっても、それ以上の高さに積めないとき、「もっと、底の方の積み木をきっちりと、隙間なく積まないと高くはならないよ」とアドバイスしたことはないでしょうか。英文法と英語の実力レベルの関係も同じことです。

 Cレベル以上の英語力を目指そうと思うならば、文法項目の8〜9割が隙間なく組み上げられた文法理解の土台を必要とします。その土台が組み上がっていないと、積んでも積んでも崩れてしまう積み木と同じ状態が発生し、「自分はCレベル以上には行く能力がないのではないか」と自信を失ってしまったり、英語を勉強し続けることが嫌になってしまったりします。

 これが英語嫌いになる主な理由の一つです。

 では、文法の土台がきっちりと組み上がらない理由はどこにあるのでしょうか?

(2011年6月25日号掲載)

 
たてなおしの教育