002 家庭での救急処置 ~最初の治療は家族 脳疾患は救急車を~

02-iryou-0709p.jpg 家族が急に倒れた、胸が痛くなった、手足が動かない-など、様々な救急疾患が家庭内で起こります。そんな時、どうすればよいのでしょうか? まず最初の治療をするのは、救急隊員でもなく、医師でもなく、家族です。ここでは、誰でもできる救急時の対処法について説明します。


 心肺停止

 呼吸が止まって、脈も触れない-。こんな時は一刻を争う事態です。まず119番に電話しましょう。そして、仰向けに寝かせて胸骨圧迫を開始してください。「心臓マッサージ」とも呼ばれていますが、マッサージなどという軽いものではなく、両手を胸の中央(両乳首の間)に重ねて置いて、体重をかけて押し込みます。肋骨が折れることもあります。1分間に100回ぐらいのペースです。


 200回押したら脈を調べましょう。脈が触れなければ、再び圧迫を開始します。人工呼吸はしなくてもかまいません。心臓が動いているのに間違って胸骨圧迫を行っても、それほど害はありません。


 突然の胸痛

 胸が締め付けられる感じといわれていますが、軽い痛みの人もいます。心筋梗塞や大動脈解離という死に至る病の場合があります。様子を見ていないで救急車を呼んでください。自家用車に乗せて病院に行くのは危険です。


 突然の頭痛やまひ、意識障害、言葉のもつれ

 脳の血管が破れたり(脳出血、くも膜下出血)、詰まったり(脳梗塞)している可能性があります。少し頭を上げて安静にし、救急車を呼んでください。病院への到着が早いほど後遺症が少なくて済むことがあります。かかりつけのお医者さんを経由することは、時間のロスに。脳疾患が疑われたら、迷わず救急車を呼んでください。

(2011年7月9日号掲載)


=写真=坂口 治(救急科部長=専門は救急医学、外科)



 
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