004 脳卒中 ~突然症状が現れたら直ちに病院で受診を~

4-iryou-0723p.jpg

 「脳卒中」とは脳に突然起こる病気をいい、「脳血管障害」とほぼ同じ意味です。脳卒中には、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などがあります。


 動脈硬化症で血管が細くなって血流が止まる、または心臓病によってできた血の塊が流れてきて脳血管が詰まり、酸素や栄養が滞って一部の脳組織が壊死を起こす病気が脳梗塞です。物が二重に見える、言葉が出ない、ろれつが回らない、半身の自由が利かないなどの症状が突然現れます。高血圧症、糖尿病、高脂血症、心臓病のある人や喫煙者に多く、脳卒中の中で一番多い病気です。


 高血圧症などが原因で、脳の比較的細い血管が破れて脳内に出血を起こすのが脳出血です。症状は脳梗塞と似ていますが、CTなどの検査を行って診断します。


 クモ膜下出血は、脳表面の太い血管にできたこぶ(動脈瘤)が破れて起こります。突然の激しい頭痛や意識障害で発症し、脳卒中の中で最も致死率が高い疾患です。


   緊急検査と治療

 脳卒中が疑われる患者さんが病院に到着すると、すぐに身体の状態を調べ、頭部CTなどの緊急検査を行い、治療を開始します。脳出血やクモ膜下出血では血圧を低めに保たなければなりませんが、脳梗塞ではむしろ血圧をあまり下げないようにします。


 発症して3時間以内の脳梗塞なら、血栓を溶かして血管を再開通させる「t-PA」という薬を使います。ただ、発症から来院までに時間がかかりすぎたためにt-PAを使えないケースも多くあります。


 脳出血では出血してできた血の塊を取り除く手術を、クモ膜下出血では破れた動脈瘤をクリップで留める手術や、動脈瘤にコイルを詰めて固める治療(血管内治療)を緊急で行うことがあります。


 怖い手遅れ

 ご自分に、あるいは周囲の方に突然症状が現れ、「脳卒中かもしれない」と思ったら、直ちに脳神経外科または神経内科のある病院を受診してください。そのまま様子を見ていたために手遅れになってしまう患者さんが少なくありません。家族の車やタクシーで行ける状態ではないと思ったら、ためらわずに救急車を呼びましょう。

(2011年7月23日号掲載)


=写真=山本 寛二

 神経内科部長=専門は脳卒中、パーキンソン病、認知症、末梢神経障害など神経内科全般

 
知っておきたい医療の知識