005 大腸がん ~男女共急激に増加 治る可能性高いがん~

 大腸がんは、かつて日本では少ないがんと思われていました。しかし、1980年代から急速に増加し、現在も増加の一途をたどっています。


 2001年には罹患数(新たに大腸がんと診断された患者数)が10万人を超えるようになりました。20年には胃がん、肺がんを抜き、日本人のがん罹患数と罹患率(一定期間に新たに発生した疾患患者数の人口に対する割合)は男女合わせて1位になると予測されています。


 09年の部位別がん死亡率は、女性では大腸がんが1位、男性では肺がん、胃がんに次ぎ3位となっています。しかし、実際に大腸がんで死亡する人は罹患者の約3割です。これは大腸がんは治る可能性が高いことを示しています。


 また、大腸がんの罹患率は40歳を過ぎると急速に増加することも分かっています。従って、40歳になったら定期的な検診を受け、早期発見・早期治療することが重要です。


 検査の方法

 大腸がん検診の最も簡便で有用な方法として、便中の血液反応を調べる「便潜血検査」があります。これは、大腸がんやがんの基になる腺腫という良性ポリープの表面からの出血を検査する方法です。綿棒のような物を使い、ご自身で少量の便を採取するだけで検査でき、体に負担はありません。


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 この検査で血液反応が陽性となれば、大腸の内視鏡検査を行います。これは、検査前に腸管洗浄液という腸管内をきれいにするための水を約2リットル服用していただき、腸管内がきれいになったところで、肛門から約1メートルほど内視鏡を挿入して大腸をくまなく検査する方法です。この検査でポリープや早期のがんが見つかれば、内視鏡で切除できることが多くあります。内視鏡治療ができない場合は、外科手術や抗がん剤などで治療を行います。

(2011年8月20日号掲載)


原 悦雄(消化器内科科長=専門は消化器一般、特に消化管)

 
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