006 糖尿病の救急 ~脳卒中や心筋梗塞ならすぐ救急車を~

 今回は糖尿病の患者さんがどんな症状になった場合に救急車を呼ぶべきかを考えてみましょう。


 糖尿病は動脈硬化が進行しやすい病気です。動脈硬化が進むと、最終的には血管が詰まり、血が流れなくなってしまうことがあります。それが脳の血管に起これば脳卒中、心臓の血管に起これば心筋梗塞です。


 次のような場合は一刻を争う事態です。すぐ救急車を要請してください。朝まで待ってからとか、救急車は恥ずかしいなどとは考えないでください。


脳卒中の場合

 脳卒中の症状は

(1)突然手足が動かなくなった

(2)話ができなくなった

(3)顔の筋肉が動かなくなった

などが診断の方法です。「何時何分に発症した」と時間が特定できるかどうかがポイントになります。

心筋梗塞の場合


 心臓の血管が詰まった場合は心筋梗塞です。心筋梗塞になると、強い胸の痛みや胸部の圧迫感を感じます。しかし糖尿病患者さんの場合は胸痛症状が出ない人もいて、知らないうちに心筋梗塞を起こす人もいます。強い胸痛や胸部圧迫感がある場合は救急車を要請してください。


 その他に救急車を要請する状態は、低血糖で意識がない場合です。救急車を要請するほどではなく、慌てる必要はないけれど、救急外来を受診した方がよい事態もあります。糖尿病の薬を服用中に風邪などで熱が出た、腹痛や嘔吐、下痢が24時間以上続いた、食事を取ることができない-などの場合は、救急外来を受診してください。

(2011年8月27日号掲載)


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西井 裕(内分泌・代謝内科部長=専門は糖尿病・内分泌代謝疾患)

 
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