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07 交通手段 〜主役は3輪タクシーにバス〜

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 異国の地で折り紙を教授する日々だが、カルチャーショックは枚挙にいとまがない。信州に育ち、外国暮らし初体験の身では目を白黒する毎日だ。


 出張授業のある日、早朝、予約した3輪タクシーがやってこない。「ガソリンが切れたので、代わりの3輪車を借りに行ってきた...」と20分も遅れてやってきた。


 30キロほどのバス停留所まで、通常は1300ルピーだ。クレームついでに値切ったら1000ルピーにしてくれた。夜中にひと稼ぎしたのでガス欠になったとのことだ。


 ガソリンは1リットル=125ルピー(日本円で100円程度)。政府はメーター設置を指導しているが、器具が高いのでなかなか普及しない。メーター表示のある車は1キロ35ルピーだ。  


 戦後間もなく、善光寺門前にはテントウムシのようなフランス製ルノー車が、タクシーとしてたむろしていた。客は目的地を示し、料金交渉をして乗り込んだ。家族6人ギュー詰めで長野駅まで通常価格の半値だった。


 当地のインド製200cc3輪タクシーは クッションなしで、大人が4人乗っても山道を走り回る。昔、ホンダの50ccスーパーカブに大人2人、子ども3人で走り回った覚えがある。


 バスも同様だ。民間のインターシティーバス(特急)は冷房はあるが、始発から満員。あふれた乗客は補助椅子で我慢。キャンディからコロンボまで約120キロが270ルピーだ。ダンプカーのようなスピードで 、無茶苦茶な追い越しをかけるのが普通だ。半面、客が少ないと途端にゆっくり走行して、停留所に乗客がたまるのを待つ。時刻表など無視で融通無碍(むげ)だ。


 島国スリランカの交通はディーゼル鉄道とバス、タクシー。メーンは、どんな山中にも路線を延ばしているバスで、国営(赤色系)と民営(白色)が張り合っている。カラフルなデザインで、民営は会社組織と個人経営がある。


 大きな都市を結ぶインターシティーバスは日本製が多く、強引な運転で他車を押しのけて走る。このバスが追い越しをかける時には、対向車は道を譲るのがルールだ。平均時速は約40キロだが、乗用車より所要時間が短い。


 この"暴走バス"を取り仕切るのはベテランの車掌。一人で料金の徴収や乗客の整理を立ちっ放しでしているので大変な労働だ。

(2011年7月30日号掲載)


=写真=山道も走り回る3輪タクシー