009 肝斑の新治療法 ~画期的と注目されるレーザートーニング~

 「両頬にぼんやりした形のシミが広がってきた」「妊娠・出産を経て濃くなった」。そんなシミでお悩みの方、それは肝斑(かんぱん)かもしれません。


 肝斑は30〜40代の女性に多く見られるシミの一種です。両頬に左右対称性にできるのが特徴で、女性ホルモンのバランスやストレスが影響しているといわれています。


 肝斑の治療には、トラネキサム酸とビタミンCの内服や美白効果のある塗り薬の外用などが行われますが、薬だけでは期待するほどの効果が得られないことが多く、有効な場合でも長期にわたる継続が必要となります。


 また、老人性色素斑など他のシミに効果的な今までのレーザー治療は、肝斑に対しては禁忌(炎症を起こして悪化するのでやらない方がよい)とされています。


 治りにくい肝斑の画期的な治療として注目されているのが、レーザートーニングという新しい治療法です。炎症を起こさせない程度の弱いパワーでレーザーを照射し、シミの原因である肌の中のメラニンを少しずつ壊していく治療です。


 従来のレーザー治療後に見られたような強い炎症を生じないため、肝斑を悪化させることなく徐々に薄くしていきます。施術後にはほんのりと赤くなることがありますが、ガーゼやばんそうこうを貼る必要はなく、直後の洗顔やメークも可能で、日常の活動性が制限されません。


 回数をかけてゆっくりと改善させる治療のため、1〜2週間の間隔で5回程度の照射を行います。実際には、2〜3回の治療後からシミが薄くなってきたと実感されることが多いようです。また、開いた毛穴が引き締まって張りのある肌になる、きめが整い化粧ののりが良くなる、などの効果も得られます。


 肝斑のできる原因は現在もはっきり分かっていませんので、時間の経過とともに再発する可能性は否定できません。一連の治療終了後も、日々のケア(紫外線対策や内服・外用薬など)で美白を心掛けることが重要です。肝斑の方には、メンテナンスとして1〜2カ月に1回程度のレーザートーニングの追加治療が勧められています。


09-iryou-0917p.jpg

 シミの治療は保険が利かないため、自費診療となります。シミ治療の希望で来院される場合は紹介状や事前予約は必要ありません。気軽にご相談にお越しください。

(2011年9月17日号掲載)


滝 建志 

形成外科部長=専門は形成外科全般

 
知っておきたい医療の知識