011 じんましん ~原因判明は1割程度 経過に3つのタイプ~

 救急外来に来る皮膚疾患の患者さんの中で、最も多いのがじんましんです。


 膨疹があれば全て

 じんましんの診断は、見た目の形態だけでなされます。蚊に刺されたときを思い浮かべてください。かゆくて、プクーと腫れた状態の発疹を膨疹といいます。この膨疹があれば全てじんましんというのです。


 病気は原因で分類すると分かりやすいのですが、じんましんの場合、原因がはっきりするのは1割程度です。そこで、「時間の経過」という物差しで考えてみましょう。経過を見ると、真の原因は分からなくても、おおよその原因は推測できます。


 多くは自然に治る

 経過は、大きく3つに分けられます。

 1つ目は、突然出現して半日もしないうちに治ってしまうもの。傷んだ食べ物や、アレルギーのある食事や薬、ハチなどに刺されたときに起こります。原因が侵入すると、その直後から1〜2時間のうちに症状が始まり、全身に膨疹が現れます。


 ひどいときは吐いたり下痢したり、息苦しくなったり、時には急激に血圧が低下してアナフィラキシーショックになったりもします。ショックのときは適切な処置が必要ですが、多くは医療機関を受診せずとも数時間もすれば自然に治り、再び原因が侵入しない限り繰り返しません。


 2つ目は、救急外来を受診するじんましんの中で圧倒的に多いタイプです。突然始まり、急速に全身に拡大します。救急外来を受診し点滴をしてもらって、ちょっと良くなったかなと思っても、また次の日はひどくなる-こんなことを3〜4日繰り返します。発熱や下痢、腹痛、時に息苦しいなど全身症状を伴うことがあり、しばしば入院治療を必要とします。ステロイドや抗生剤を投与してもなかなか改善しません。


 でも、10日たつとピタッと治まるから不思議です。経過がウィルス感染症に似ていますので「感染性じんましん」などともいわれています。


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 3つ目は、最低2週間以上、長いときは数カ月から数年にわたって、症状が出たり引っ込んだりを繰り返すタイプです。前の2つは薬が効かないことも多いのですが、このタイプは抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の投与で改善します。このタイプなら救急外来を受診する必要はありません。

(2011年10月29日号掲載)


=写真=齊木 實 (皮膚科部長=専門は皮膚科全般)

 
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