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04 水ノ塔山 篭ノ登山 〜山頂からの眺望を楽しむ〜

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 「東信に手軽に登れ、景色のいい山があるから行かないか」。山仲間のK氏から、お誘いがあったのは9月末。予定していた日曜日は、朝から雨。1週ずらして10月最初の土曜日、今度はT氏に声を掛けて2人で出掛けた。


 行き先は群馬県境の水ノ塔山(みずのとやま)(2202メートル)から、東篭ノ登山(かごのとやま)(2227メートル)西篭ノ登山(2212メートル)の往復。「水ノ塔」「篭ノ登」とは変わった名前だが、山名の由来はよく分からない。


 午前8時に長野の自宅を車で出発。上信越道の小諸インターから浅間サンラインに入り、高峰高原へ。車坂峠から湯の丸高峰林道を西へわずか進むと、登山口の高峰温泉に着く。途中、コンビニがなかったことに気づき、昼食は持参したおにぎりとインスタントラーメンで済ませることにする。


 登り始めたのは10時過ぎ。天然カラマツの老木が茂る林を過ぎると視界が開けた。「ウグイス展望地」と呼ばれるガレ場だ。そこから上は登山道をふさぐ大岩があったり、大小さまざまな岩塊が点在する。いずれも黒い溶岩だ。浅間山の噴火で飛んできたようにも思われる。


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 1時間ほどで到達した頂上は、背後の群馬側は低木に覆われて見えないものの、長野県側は180度のパノラマ。この夏登った富士山も見える。東側の黒斑山の上に浅間の山頂がのぞく。南側には八ケ岳と蓼科山。その右手には、塩田平や丸子から和田、長門方面へ続く谷が見下ろせる。


 小休止の後、「赤ゾレ」と呼ばれる、赤茶けて急峻ながけ上を東篭ノ登山へ向かう。途中、白い球形の実が付いた矮小低木のシラタマノキに何度も出合う。実を指でつぶし、手の甲に塗るとスッとしてサロメチールの香りが鼻に心地よい。


 1時間ほどで着いた東篭ノ登の山頂は360度の展望だ。水ノ塔から見えなかった群馬側は、眼下に嬬恋村のキャベツ畑が広がり、なだらかな裾野を引いた四阿(あずまや)山と根子岳がどっしりとそびえる。長野市から望む根子岳のちょうど反対側だ。


 東篭ノ登だけなら、直下の高山植物の宝庫・池の平から30分ほどで登れるとあって、頂上は登山者でにぎわっていた。


 さらに足を延ばし、西篭ノ登山へ向かう。こちらの山頂からは、特に西側の眺望が素晴らしい。目の前にゆったりとした湯の丸山、その先に鋭い三角すいを突き上げる烏帽子岳。そのまた向こうには、雲の上に北アルプスの山並みが続く。


 昼食を食べながら、湯の丸山の斜面を朱に染めるレンゲツツジの群落に思いをはせてみた。来年の初夏には、烏帽子・湯の丸に登ろう--。2人で一致した。


(2007年10月20日号掲載)


=写真=眼前の湯の丸山と烏帽子岳(左)の向こうに北アルプスの山並みが広がる