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011 湯ノ丸山 〜山肌染めるレンゲツツジ〜

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 7月最初の日曜日、ふだん山へは行きたがらない妻を「高原にツツジを見に行こう」と誘って、東御市と群馬県境の湯ノ丸山(2101m)へ出掛けた。


 昨年秋、すぐ東隣の篭ノ登山(かごのとやま)(2207m)へ登った際、目の前の山の斜面を朱に染めるレンゲツツジの群生を想像し、花の咲く時季にぜひ訪ねてみたいと思っていたからだ。


 当初は6月末の日曜日に、山仲間で湯ノ丸山と烏帽子岳(2066m)へ登る予定だった。が、あいにくその日は朝から雨。1週遅れで訪れることになった。


 午前9時半過ぎに車で長野を出発。上信越道の東部湯の丸インターを降り、浅間サンラインの別府交差点を左折して湯の丸高原へ。道の両脇に点在する石仏「百体観音」が出迎えてくれているようだ。


 地蔵峠の駐車場に車を置き、スキー場のゲレンデをリフトでつつじ平へ。レンゲツツジの見ごろは最終盤とあって、観光バスで繰り込んだ人出は相当なものだ。


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 群馬県側に広がる60万株といわれる群生地は、花の盛りは過ぎても見応え十分。花の間を散策したり、あちこちで弁当を広げる家族連れや、三脚を据えて写真を撮っている人も。


 ここまで来れば、やはり頂上まで行きたくなる。「あそこまで登るの?」とためらう妻を、「見えてるんだから、簡単、簡単」とそそのかし、急坂の直登コースを山頂へ。一汗かき、途中から見下ろしたつつじ平は薄紅色のじゅうたんのようだ。


 標高2000mぐらいを過ぎると、ツツジはまったく見なくなる。あえぎながら登ってきた妻も、何とか南峰に到着。丸くて広い頂上は石だらけだが、視界を遮るものはなく快適だ。西側はガスっていたが、東に篭ノ登山から浅間山、北は嬬恋村の田代湖、南西に烏帽子岳。眺望を楽しみながら昼食を取っていると、遠くで雷が鳴り出した。


 帰路は烏帽子岳との鞍部に下り、間伐の行き届いたカラマツ林の中を地蔵峠へ。途中、立ち寄ったキャンプ場近くの湿原は、高山植物の花の時季にはまだ早かったが、一足早く咲き出したヒオウギアヤメの青紫が鮮やかだった。


(2008年7月19日号掲載)


=写真=家族連れが大勢訪れていたつつじ平

 
中高年の山ある記