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013 奇妙山 〜善光寺平一望 下りは難儀〜

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 4月中旬の日曜日。今季初の登山先に、アンズの花見を兼ねて松代町東条から登る奇妙山(1100m)を選んだ。この山と、尾根続きの尼厳山(781m)は市のトレッキングコースにも指定された登りやすい山だ。


 一行は、私と定年前の会社の同僚夫妻、その知人の女性3人の計6人。八幡原史跡公園で合流し、車2台で登山口の岩沢地区へ。アンズの花は盛りを過ぎていたものの、斜面上部はちょうど見ごろ。一面に広がるピンクの花模様が楽しめた。


 うっそうとした杉林の中を登り始める。30分ほどで鞍部に達し、尼厳山からの尾根と合流する。芽吹きのこの時季は、雑木林の樹間が明るい。枯れ葉を踏みしめながらの歩行は快適だ。


 しばらく進むと「高見岩 転落注意」の看板が。このコースで最も眺めの良い場所だ。足がすくみそうな岩の上に出てみると、一気に視界が開ける。目の前には皆神山がぽっかり浮かんだように見える。尼厳山の先には善光寺平が一望だ。絶景をバックに、岩の上で一人ずつ写真を撮った。


 一汗かきながら再び尾根道を登っていくと、1時間ほどで頂上に。円形の平地になっていて思ったより広い。以前、焼き米などが出土し、山城跡と分かったという。北側だけ開け、長野市街地が望める。

 

 山頂で昼食。みんなにラーメンを作ってあげようと1リットル以上の水を背負ってきたのに、何と携帯コンロのガスが空...。


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 下りは、同じ道をたどるよりは--と、清滝へ降りるコースを取ることにした。岩尾根が続いたかと思うと、立派な神官の姿をした石像に出くわした。さらにロープがないと降りられないような岩場が続く。奇岩がそびえるこの辺りが奇妙山の名の由来なのだろう、と勝手に解釈する。


 岩場が終わると、足首まで落ち葉に埋まる急斜面だ。人の踏み跡も消え、木の枝に取り付けられたテープを頼りに一歩一歩慎重に下る。足を滑らせれば、どこまでも転がり落ちそうだ。


 何度か立ち止まってはテープを探し、全員無事に下山できた時はホッとした。下りきってみればスリルもあって面白かったが、このコースがトレッキングのパンフレットに載っていない意味もよく分かった。


(2009年5月9日号掲載)

 
中高年の山ある記