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47 英語の発音とスペル 〜フォニックスで訓練 ルール漢字と似ている〜

 今回は、文の仕組みの問題から少し離れて、英語の発音について説明します。


 「この英文を音読してください」と言われて、口を閉ざしてしまう中学生は少なくありません。それは、文を読む以前に「個々の単語の発音が分からない」という可能性が大です。


 英語は、アルファベットを使用する現代語の中で、発音とスペル(つづり)の関係が最も複雑な言語です。

「chime(チャイム)」「school(スクール)」「machine(マシーン)」は同じ「ch」の文字をそれぞれ、「チュ」「ク」「シ」と異なって発音します。逆に、「weight(重さ)」「wait(待つ)」はスぺルが異なるのに、「ウェイト」と発音が同じです。 なぜ、このような面倒が起こったかといえば、英語は、いくつもの言語が混じることで成立してきたため、異なった言語の発音のルールが入り組んで複雑に発達したというのが一つの理由です。


 「異なるスペルで発音が同じ」「同じスペルで発音が異なる」という性質は、漢字に、「同音異義語(例...再、祭、斉、は、すべて「サイ」と読む)」、と「音読みと訓読み(相...ソウ・あい)」があるのと少し似ています。


 この意味で、英語の単語は、スペルを知らずに「耳から聴くだけで身に付ける」ということは大変困難な言語なのです。ですから、英語を母語とする子どもたちは、小学校に入ると「スペルと発音の関係とその仕組み」を勉強し、個々の単語のスペルと音を一致させる訓練を受けます。


 この訓練を「フォニックス」と言います。そして、フォニックスの訓練を受ければ、仕組みは複雑ながらも、およそ7割の英単語には規則的なルールがあり、残りの3割の「外来語から来ている特殊な発音」を一つ一つ学べばよいということが分かります。


 漢字は、発音の基本ルールを理解していると、類似した漢字の意味が分からなくても発音できるようになります。たとえば、「つくり(漢字の右側の部分)の音が全体の発音となる」ことを知っていれば、「青」を「セイ」と読むのだから、「清」「晴」「精」のいずれも「セイ」と読むと分かります。フォニックスを学ぶことは、これと似ています。


 しかし、日本の小学校英語では、音を聞かせて、発音させるだけで単語のスペルを教えなかったり、中学校では、「一つ一つの単語」の発音は教えても、「スペルと発音の仕組み」を教えることは多くないようです。


 この仕組みを知らないと、英語の単語は、しらみつぶしに、一つ一つの発音を覚えるほかはなくなり、「音読せよ」と言われても口をつぐまざるを得なくなります。


 具体的な英語の発音ルールの例については次回。

(2012年1月28日号掲載)

 
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