018 緩和ケア ~並行実施で延命効果 支援センター訪ねて~

 「ケア」とは何でしょうか。英語の「care」には、「世話」や「思いやり」などの意味があります。「患者さんのケア」とは、患者さんが生活するために必要な支援のことで、医療、看護、介護、福祉、相談などの全てを含みます。病気の治療も緩和ケアも、ケアの一つです。


 治療と並行して

 緩和ケアは、がんなどの病気の早期(診断時や再発時)から治療と並行して行うことが効果的で、病気による身体面や精神面のつらさ(痛み、息苦しさ、不眠、不安など)を薬物療法や看護によって緩和し、生活の質の向上を目指します。がんなどの治療と緩和ケアを並行させるケアを「パラレルケア」といいます=図参照。


 早期実施で長生き

 最近の調査では、がんなどの治療と並行して緩和ケアを行うと、治療だけの場合に比べて延命効果があるとの結果が出ています。


 米国からの報告では、緩和ケアを受けた肺がん、膵臓がん、大腸がんの患者さんは、受けなかった患者さんに比べ1・16倍〜1・09倍長生きし、特に非小細胞がんの患者さんに早期からの緩和ケアを行った場合は、1.3倍の延命効果がありました。また慢性心不全(非がん)の患者さんには1・25倍の延命効果がみられました。


 痛みや息苦しさが和らいで体力が温存され、がん治療を十分に受けることができるからでしょうか。痛みや息苦しさを我慢せずに、モルヒネなどの薬を早い時期から十分に使うことが、体力温存、生活維持、延命につながるように思います。


 当院には、抗がん剤などのがん治療と緩和ケアを包括的に並行して行う病棟があります。患者さん、ご家族の相談場所の一つとして緩和ケア・がん相談支援センターもあります。


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 不安、落ち込み、痛み、息苦しさ、在宅療養上の問題など、がんに関してお困りのことがあれば、看護師や医師に尋ねてみたり、緩和ケア・がん相談支援センターを訪問してみてはいかがでしょうか。


大道 雅英(緩和ケア内科科長=専門は緩和ケア 日本緩和医療学会認定緩和医療専門医)

 
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