記事カテゴリ:

34 『ノルウェー最後のトロール』(2011)〜短編を見られる場は?

34-kinema-0204p.jpg

 Q 短編映画の秀作があるらしいのですが、どこで見られるのでしょうか? 


 A 確かに、アカデミー賞の中にも短編映画の部門があり、そのノミネート作品や受賞作には、面白い作品が数多くあります。


 日本でも、映画が「娯楽の王様」であった時代には、数本の長編の合間にニュース映画や短編映画が上映されることが、ままありました。でも、残念ながら最近では、映画館での短編映画上映の機会は極端に少ないと言わねばならないでしょう。


 その代わり、このごろ、電子配信のコンテンツにはドキュメンタリーや短編映画の傑作が多く含まれています。200円程度で手に入るので、電子端末を使っておられる方は試してみてください。


 でも、映画はスマホやタブレットではなく、大きな画面で見たいですよね。東京下北沢の「トリウッド」のような短編映画専門劇場に行くか、単館系ミニシアターの企画上映、小布施映画祭のようなコンテストかショートフィルムのフェスティバルに行けば、大きなスクリーンで見ることもできます。


 「やっぱり、長野では無理なのね」と諦めないでください。

 例えば、昨年、清泉女学院大学と長野グランドシネマズとのコラボ上映会では、アヌシー国際映画祭受賞作『パパ、ママをぶたないで』をはじめ、短編アニメーションの秀作を長野で初めて上映しました。


 その時点で『パパ、ママをぶたないで』は、英語タイトルの『Angry Man』でしたが、その後、女優の東ちづるさんたちが「DVについて関心のない人たちもぜひ見てほしい」と呼び掛け、多くの鑑賞会が持たれるような有名な作品となりました。


 見損ねた方、大丈夫ですよ。今月の清泉と長野ロキシーとのコラボ企画「MOVIE × MOVIE」でもこの作品が再上映されます。他に、最新の海外短編アニメーションの秀作4本を上映する予定です。


 その中の1本をご紹介しましょう。『ノルウェー最後のトロール』=写真。2011年、スペイン、カナダ、アメリカの国際フェスティバルで受賞した作品です。ノルウェーで活躍するロシア出身の監督ピョートル・サペギンの人形アニメ。


 たった13分の作品ながら、悠久の時間を感じさせつつ、ユーモアと文明批評を折り込んで、見る者を優しい気持ちにさせる不思議な作品です。ナレーションは、巨匠イングマール・ベルイマン監督作品やラッセル・クロウ主演の『ロビン・フッド』などハリウッド娯楽作でもおなじみのスウェーデンの名優マックス・フォン・シドーです。


 あなたも久しぶりに映画館で短編映画を楽しんでみませんか?

(2012年2月4日号掲載)


=写真=(C)KinoPravda 2010

 
キネマなFAQ