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49 サイレント Eのルール 〜最後にeが付けば前の母音名前で読む〜

 英語の発音の問題の続きです。


 日本語には母音が5つあり、それらを5つの文字(あ・い・う・え・お)で表現しています。一方、英語には母音が約30あります。しかし、母音を表現できる「文字」の数は5つ(a・e・i・o・u)しかありません。 


 そこで、文字を増やす代わりに、これらの文字を組み合わせて(場合によってはy・wなどの子音を加えて)使い回すことで、母音を表現しています。


 服のコーディネートをする際、スカートとブラウスをそれぞれ2枚ずつ持っていると、それらの組み合わせを変えることで、4種類のコーディネートを楽しむことができます。英語の母音と文字の関係もこれと似たようなもので、少ない文字をいろいろに組み合わせて、たくさんの母音を表現しているわけです。


 その一つのコーディネートの例が、「サイレントE」と呼ばれるルールです。pin(針)は「ピン」と読みますが、pine(松)は「パイン」と読みます。


 前回、アルファベットの「名前」と「音」の違いを説明しました。「i」の文字は、音は「イ」ですが、文字の名前は「アイ」です。通常は文字の名前を単語の発音には使いません。しかし、A・E・I・O・Uの5つの文字に限っては、文字の発音だけではなく、通常では使用しないはずの文字の「名前」も発音に使うことにしました。ですから、「i」を「イ」とも「アイ」とも読むようになったわけです。 


 問題は、発音を2通りにしても、スペルが同じだと-例えば、「pin」だけであると、「i」を「イ」と読むのか、「アイ」と読むのか分かりません。それで、「単語の最後にeを付けたら、その前にある母音は『文字の名前』で読むこと」というルールを作ったのです。


 そうすると、pinの最後に「e」を付ければ、pine(パイン)と読むことができます。この場合、最後に付いている「e」は、「i」を「アイ」と読ませる目印にすぎませんので発音しません。それで「Silent(発音しない)E」のルールと呼んでいるわけです。


 他の例としては、face(顔)フェイス、 hole(穴)ホール、rule(規則)ルール、scene(場面)シーン、などがあります。iの場合と同じで、a・o・u・eを文字の名前で読んでいますね。


 ただし、前々回説明したように、英語の単語の約3割には、このルールが通用しませんので、このルールのとおりには読まない例外があります。例えば、comeは「コウム」ではなく「カム」、haveは「ヘイヴ」ではなく、「ハヴ」です。ここがやりにくいところですね。


 それにしても、「サイレントE」のルールを理解しているだけでも、英語の発音はぐっと楽になってくるとは思いませんか?

(2012年3月24日号掲載)

 
たてなおしの教育