021 腰部脊柱管狭窄症 ~長い距離歩けない人 腰の神経の病気かも~

 「長い距離を続けて歩けない」という症状はありませんか? 歩いていると腰が曲がってきてしまう、あるいは脚や腰が重くなったり痛みやしびれが出たりして足が前に出ない。腰を曲げて休むとまた歩けるが、同じくらい歩くとまた症状が出て休んでしまう-。


 これは「間欠跛行(はこう)」と呼ばれる症状で、腰部の神経の入っている管(脊柱管)が狭くなり、腰の神経が圧迫される病気「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」に特徴的なものです。

 このような症状が起こるのは、生まれつきあまり脊柱管が広くない人に、背骨の変形やすべり症などの年齢的な変化が加わることで、腰の神経が圧迫されるためと考えられています。


 様々な症状を併発

 症状には、間欠跛行や脚・腰の痛み、しびれ、だるさなどの他、 (1)残尿感や頻尿(夜寝ていて2回以上おしっこに起きる)などの排尿障害 (2)便秘などの排便障害 (3)会陰部の異常感覚(ほてりやムズムズ感・チクチク感) (4)異常な勃起-などがあります。


 これは、排尿・排便をコントロールしている神経や、会陰部の感覚を伝える神経が腰の脊柱管を通っていることから起こると考えられています。


 なお、間欠跛行は脚の血行不全である「閉塞性動脈硬化症」でも起こりますが、この場合はつえをついても間欠跛行が出る、しゃがまずに立ったまま休むだけで症状が良くなる、排尿障害がない-などが腰部脊柱管狭窄症とは異なります。


 治療の方法

 治療は、手術をしない保存治療として、神経の血流を良くするプロスタグランジン製剤や鎮痛剤の投与、硬膜外ブロック、リハビリテーションなどがあります。


 手術治療では、開窓術や椎弓切除術(腰の骨を削って神経の圧迫を解除する方法)や、腰椎固定術(金属のねじや棒を使って固定する方法)などがあります。


21-iryou-0421p.jpg

 「長い距離を続けて歩けない」などの症状で日常生活に支障があり、身の回りのことを誰かの手を借りなければできないというようであれば、病院での受診をお勧めします。

(2012年4月20日号掲載)


=写真=中村 功(整形外科科長=専門は脊椎・脊髄疾患)

 
知っておきたい医療の知識