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23 NAGANO全国コンクール 〜大勢参加できるよう利益目的の団体阻止〜

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 テストを目標にして勉強を頑張るように、バレエもコンクールを目指すことで張り合いが出ます。国内外の様々なコンクールを見学したり、参加する生徒に付き添ったりしてきた経験から、一人で舞台に立つことが子どもを大きく成長させることを確信しています。


 私はコンクールに行くと、見やすい席を確保して自分なりに点数を付けていました。すると他の教室の先生から「ウチの子はどう」と評価を求められるようになりましたが、審査員の評価と大きく異なることはなかったですね。眼識を磨くことができるのもコンクールならではです。


 10年ほど前から構想

 10年ほど前から、長野でもバレエコンクールを開催したいと思うようになりました。理由の一つは、地元にコンクールがあったら、首都圏や名古屋まで出掛けて参加できるごく一部の生徒さんだけでなく大勢が参加でき、それを目標に、週に1度しかお稽古しない子がせめて2度通うようになってくれたら、と思ったからです。私はバレエらしく踊るには、最低でも週2回はお稽古していただきたいと思っています。


 もう一つは、利益目的でコンクールを開催する団体の横行から、長野県を絶対に守りたいからです。こういう団体はバレエ芸術の振興や生徒さんの技術向上を目的にしているわけではありませんから、バレエ界にとっても地元にとってもいいことがありません。


 日本バレエ協会の甲信越支部長をしていた当時は、支部主催でコンクールを始めたいと提案しましたが実らず、私が発起人となり、県内の先生に声を掛け、実行委員会方式で行うことにしました。


 それでスタートしたのが「NAGANO全国バレエコンクール」です。第3回目を3月27・28日にホクト文化ホール(県民文化会館)で開催したところですが、第1回、第2回とだんだん参加者が増え今回は県内から301人、北海道から大阪、奈良までを合わせ423人の参加者がありました。私が実行委員長で、長野バレエ団が事務局を担当しています。


 通常のコンクールですと、1位から3位、次いで優秀賞、入賞と続き、賞状をもらうのは一握りです。でも長野のコンクールの目的は、参加を励みにしてもらうことなので泣く子を出したくありません。そこで入賞できなくても努力賞を出すことにしました。最初、賞状の大きさを変えていたところ「どうして私のは小さいの」と悲しむ子がいたということで、大きさも統一することにしました。


 手づくりで3回目に

 このように参加者からの意見を取り入れて手づくりのコンクールにしているのも特徴です。北海道からまず見学に来て、「温かい雰囲気が気に入った」と今年参加してくださった方もいます。審査員は長野にゆかりのある先生にお願いしておりますが、今年はロシアからゲスト審査員を招き、認められた場合は、ボリショイバレエ学校の入学許可が与えられるという特典を付けました。皆さんの反応を見て好評であれば続けたいと考えております。


 1980(昭和55)年、県内のバレエ振興のため「長野県バレエ協議会」を発足させたのですが、加盟は現在3団体のみです。その点、コンクールという目的があると集まりやすいのも利点で、約15のスタジオが協力してくれています。皆で結束して利益目的の参入を阻止し、真にバレエ芸術向上のためのコンクールを目指したいと思っております。

(聞き書き・北原広子)

(2012年4月7日号掲載)


=写真=第1回NAGANO全国バレエコンクールシニア部第1位の倉島彩納(芸名・曽根原彩納)さん

 
倉島照代さん