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12年5月 間もなく雨の季節へ

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 木々が青々と輝き、一年で最も過ごしやすい時季を迎えていますが、間もなく雨の季節に入ります。関東甲信地方の平年の梅雨入りは6月8日です。


 私は梅雨が近くなると、「奥の細道」を思い出します。松尾芭蕉は新暦の5月16日に江戸を出発し、その後およそ150日間かけて、東北・北陸の2400キロを旅しました。句を追っていくと、芭蕉が感じた梅雨を知ることができます。


 例えば、6月末には平泉の中尊寺で〈五月雨の降残してや光堂〉と詠み、五月雨も光堂の気高さに遠慮して濡らさず残しているようだと詠んでいます。


 また、有名な〈五月雨をあつめて早し最上川〉は、7月中旬に詠んだ句。梅雨末期の雨で、最上川がすさまじい勢いで流れている様子が伝わってきます。


 そして、7月末に酒田で詠んだ〈暑き日を海に入れたり最上川〉からは、梅雨が明けて暑くなってきたことが分かります。


 梅雨はおよそ40日間続き、長い年には2カ月近くにわたることもあります。四季に加え、5番目の季節といえるほど、しっかり存在します。今年は大きな災害がなく、雨の季節が終わることを願っています。

(2012年5月26日号掲載)


=写真=雨にぬれるアジサイの花

 
松元梓の四季彩々