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50 「勉強ができない」理由 〜医者の役割期待される親や教師〜

 本コラムも50回を迎え、最終回となりました。これまでのまとめとして、「勉強ができない」と感じている子どもたちを助けるにはどうしたらよいかについて、一言。


 勉強が進まないお子さんの様子を見たとき、つい口にしてしまう言葉が「勉強しなさい」「勉強しなきゃだめよ」などですね。この言葉を繰り返せば、それを聞きたくないばかりのお子さんを勉強部屋へ追いやることはできるかもしれません。


 しかし、実際には、この言葉ほど、勉強を進める助けにならないばかりか、子どもたちのやる気をそぐ言葉はないのではないでしょうか。それはちょうど、病気になった人に、「健康になりなさいよ」と言うのと同じようなものだからです。


 子どもたちが、「勉強ができない」としたら、その理由の根本は「勉強の仕方が分からない」からです。


 体の調子が悪くなったら、私たちは医者にかかります。その目的の第一は「不調の原因がどこにあるのか」「どのようにしたら、健康を取り戻すことができるか」を教えてもらうことです。


 勉強の不調も同じことで、不調から回復するにはその不調の「原因」と、そこからの回復を可能にする「方法」を見つけなければなりません。それを見つける責任を負う、つまり、医者の役割を期待されるのは、やはり親や教師などの大人です。


 しかし、実際には、親も教師も子どもたちの勉強の不調の原因と回復の方法を見いだしあぐね、そのイライラを「勉強しなさい」と子どもにぶつけることで解消しようとしている場合が少なくないのではないでしょうか。


 お子さんや自分自身の「勉強ができない、進まない」悩みをお持ちの方が、「学ぶ」こと「教える」ということは、そもそもどのような仕組みで成り立っているかを理解することで、悩みから解放されるきっかけになればと考えて、本コラムを進めてきました。


 来月からは、この問題へのさらなるヒントを求めて、「続・たてなおしの教育」として、本コラムをさらに拡充し、古今東西の文献の中から教育に関わる名著の解説、世界中のユニークな教育、教育にまつわる歴史的エピソードの紹介、知っておきたい有名な教育者の教育方法などについて、あれこれ取り交ぜながら、お話を展開する予定です。


 前回までの英語教育について引き続き興味がおありの方は、「高等教育コンソーシアム信州」のホームページから、『たてなおしの英語』(ゲストログイン)を開いてください。清泉女学院大学での私の「たてなおしの英語」の授業録画を全てご覧いただくことができます。

(2012年4月28日号掲載)

(おわり)

 
たてなおしの教育