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06 象山暗殺調書 〜地元の講座で詳しく解読

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 善光寺平では、各地で古文書の解読講座が盛んだ。先祖が残した身近な文書を読んで当時をしのぼうとしている。2008年12月5日、氷鉋古文書同好会の講師・岡沢由往さん=小島田=は、テキストとして「佐久間修理暗殺調書」を受講生に配布した。修理は通称。


 象山の一挙手一投足は「象山全集」の「象山先生史料雑纂」を見れば一目瞭然だ。例えば、▽遭難当日の服装は黒もじ肩衣、めりやす、西洋馬具、黒塗りの鞭▽京都より藩地関係者へ象山遭難顛末の通知−といった調子で詳しく記述してある。


 氷鉋の同好会で扱ったテキストは、これとは別の古文書のコピー。横長で約1140字の文書だ=写真。岡沢さんの所へこれを持ち込んだ人については「松代駅近くのトタン屋根をピンク色に塗装した民家」としか記憶になかったという。


 その話を頼りに調べたところ、松代町松代の元教員・鎌田雄次郎さん(故人)らしいことが判明。6年前に92歳で亡くなっており、生前は松代古文書クラブの講師だった。雄次郎さんの長男・健彦さん(69)によると、松代には古文書を所蔵する家が多く、「解読してほしい」と持ち込む人がいた。その中の文書ではないかという。


 「佐久間修理暗殺調書」は岡沢さんが仮に付けた名称。解読した内容の要旨は−。


 「七月十二日、佐久間修理昨十一日暮時前三条木屋町におゐて切害致され候に付、左之通」とあり、「佐久間修理、深手負、死去仕候」と続く。そして、疵所を見分したところ、「一、額三ケ所(内二ケ所 四寸八分(約15センチ)、深三寸(9センチ)位、一ケ所三寸程、深一寸(3センチ)。一、右の頬目より耳迄深七分(21ミリ)余。一、左の脇腹二ケ所内、一ケ所 八寸四分(25センチ)余、深二分(6ミリ)。一、右の股、骨共切通。一、左の臑内の方 三寸六分(10センチ)余、深一寸(3センチ)余...」。


 このように微に入り細を穿つ疵改めが9項目にも及ぶ。このほか(象山の)刀柄糸切れ、目貫が無かったり、短刀の鐺(刀剣の鞘の末端にある金具)が少々、切り落とされていた−とある。

 
象山余聞