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12年8月 「行き合いの空」に

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 空を見上げると、秋の気配を感じることが多くなってきました。夏の最盛期はモクモクとした入道雲が空を占めていましたが、夏の盛りを過ぎるといわし雲や刷毛で掃いたような雲が空に現れます。夏の名残がありつつ、秋の雲が現れ始めている空を、季節が行き合っていることから「行き合いの空」と言います。


 空の変化を巧みに表現したのは正岡子規です。「春の雲は綿の如く、夏の雲は岩の如く、秋の雲は砂の如く、冬の雲は鉛の如く」と詠み、俳句雑誌「ホトトギス」の中で雲を季節ごとに表現しました。力強い夏雲と繊細な秋雲が見事に表現されていて、その観察力と表現力に敬服します。


 昼間は空から季節の変化を楽しめますが、夜は草むらから秋が感じられます。秋の虫は気温が35度以上の時には鳴かないそうです。30度の時はまだテンポが速く、気温が下がるにつれてゆっくりとした鳴き方になるようです。来月にかけて昼間はまだ暑くなる日がありますが、朝晩はさらに涼しさを感じられるようになりそうです。秋が深まるにつれ、ゆったりとした心地よい音色に癒やされそうです。   (気象予報士)


=写真=秋を感じさせる夕方のいわし雲