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01 燕岳〜常念岳 〜槍穂高の大パノラマ 楚々と咲くコマクサ〜

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 梅雨明けを確認し、7月25日7時に車で自宅を出発した。JR大糸線の穂高駅前から南安タクシーの乗合バスで中房温泉へ。いよいよ登山開始。何度か登った道を合戦小屋経由、4時間で「燕山荘」に到着。ここは北アルプスでも一番にぎやかな山小屋の一つで、山荘前はごった返していた。燕岳は学校登山の一番人気で、中学生が多い。


 受け付けを済ませベランダに出ると、ほとんどの登山客が生ビールのジョッキを傾けている。大ジョッキ1000円、中ジョッキ800円。ほかにも缶ビール、缶チューハイ、サワー、日本酒と何でもある。何を置いても、生ビールを注文、一気に半分ほど飲んでしまった。そのうまいこと! 登山の喜びを感じる至福のひとときである。


 これもヘリコプターでの荷上げのおかげだ。きょうは1日目であり、体を慣らすのに無理は禁物。荷物もできるだけ軽量に絞って来たが、それでも12〜13キロで重く感じる。私の場合はいつも入山2日目、3日目が苦しい。4日目くらいになると荷物にも慣れ、筋肉も落ち着いてくる。入念にストレッチをして、早めに布団に入った。今晩は1人1畳の割り当てで、まずまず。


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 7月26日4時10分に朝食。5時に山荘を出発する。山小屋での朝食は先着順。私の場合は1回目を心掛け、早い朝食と早出発をモットーとしている。夕食は山荘への到着順で、早い人は5時から、次の回は30分〜45分後、繁忙期は3回転くらいが普通だ。


 花崗岩が特徴的な燕岳(2763メートル)を後にし、蛙岩と右衛門吊岩の砂礫地や常念山脈の最高峰・大天井岳(2922メートル)の南西斜面、横通岳(2767メートル)の砂礫地にはコマクサの群落が広がり、淡いピンクの花が楚々と咲いている。


 コマクサの咲く砂礫地には、ほかの植物が全く育たず、コマクサのみの天下である。あのようにかれんな花がこのような過酷な地に根を張り、風に揺れているのが不思議だ。


 私は「野の花」や「高山の花々」の写真撮影をしており、山へ行く目的の半分くらいは、そんな花たちに出合うためだ。特にコマクサが大好きで、風情ある姿に、時には感激で涙が出そうになることもある。同じコマクサでも、咲いている場所によって花の色と大きさが微妙に違う。


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 きょうの燕岳〜常念岳の縦走は、槍ケ岳や穂高岳の展望コースである。北から槍ケ岳(3180メートル)、大喰岳(3101メートル)、中岳(3084メートル)、南岳(3033メートル)、北穂高岳(3106メートル)、涸沢岳(3110メートル)、奥穂高岳(3190メートル)、そして前穂高岳(3090メートル)と、3000メートル峰が実に8座も。ほとんど雲もなく、晴天の大パノラマを思う存分楽しむことができた。

(2012年9月22日号掲載)


=写真1=常念山脈から望む槍穂高の大パノラマ