032 臨床検査 ~裏で医療を支える 各種検査業務を担当~

 臨床検査は、診療の中では病気の診断や重症度、合併症の有無の判定、治療方針の決定などに用いられます。また、健診では肝臓や腎臓など臓器の機能状態を推定したり、高血圧、動脈硬化、糖尿病、痛風などの疾患を初期段階で発見するには極めて有益です。


 様々な検査業務

 病院で主に臨床検査に従事しているのは、臨床検査技師と放射線技師で、国家資格を持つ検査の専門家です。ここでは、臨床検査技師の業務を紹介します。


 (1)採血 看護師の業務と思われがちですが、血液検査を担当する技師が行うことが合理的と考えられています。


 (2)微生物学的検査 

 喀痰(かくたん)、尿、膿などの細菌を検出、同定し、その菌の抗生物質に対する感受性を調べることで、治療の有用な指針となります。


 (3)生化学的検査 血液中のタンパク質、糖、脂質、酵素、ホルモンなどの成分を化学的に定量し、栄養状態やアルコールの摂取状況、糖尿病、高脂血症など代謝性疾患の有無、肝臓、腎臓、心臓などの機能状態を推定します。


 (4)免疫学的検査 免疫反応を利用して、肝炎、エイズ、インフルエンザなどのウイルス感染症や甲状腺ホルモン、インスリン、腫瘍マーカーなどの微量成分を検出します。


 (5)血液学的検査 赤血球、白血球、血小板数を計測して貧血や炎症の状態、血液凝固のしやすさを調べます。血液型判定などもこの検査に含まれます。


 (6)病理学的検査 体から切除した組織や採取した細胞を染色して顕微鏡で観察し、異型細胞などの有無を検索。


 (7)一般検査 尿中の蛋白・糖・潜血・細菌などの検出や、髄液、腹水、関節液中の細胞分類、蛋白分析などを行います。


 (8)生理学的検査 体の微弱な電気変化を観察したり、超音波を利用して体の組織や臓器の情報を得る検査です。不整脈や心筋梗塞などを診断する心電図検査、内臓の状態や腫瘍の有無、動脈硬化の程度を調べる超音波検査、てんかん、脳血管障害の有無や程度を把握するための脳波検査、肺機能障害を調べる呼吸機能検査などがあります。


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 縁の下の力持ち

 このように、臨床検査技師は様々な検査に携わり、診断や治療、健康診断において重要な役割を担っていますが、診療の前面に出ることはあまりありません。縁の下の力持ちとして、見えないところで医療を支えていることを心に留めておいてください。

(2012年9月22日号掲載)


=写真=北村  弘文(臨床検査科科長=臨床検査技師) 


 
知っておきたい医療の知識