036 在宅医療機器 ~CPAP装置を使い 睡眠時無呼吸に効果~

 医療現場では様々な医療機器が使われています。最近では患者さんが、病院で使う機械を自宅で使用することで、快適な日常生活を送るのに役立てています。その代表的な機器に「CPAP(持続陽圧呼吸)装置」があります。


 睡眠を妨げるSAS

 これは「睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)」の患者さんの治療に用いられる医療機器です。SASはメタボリック症候群とも密接な関係があり、快適な睡眠を妨げるだけでなく、生活習慣病の原因にもなります。


 SASはいくつかのタイプに分類されていますが、大半は「閉塞性SAS」です。睡眠中に舌や喉付近の筋肉が緩み、空気の通り道である気道が閉じてしまうことが原因で起こります。


 一般に肥満の人に多くみられますが、日本人特有の頭蓋骨の形状から、痩せている人でもSASになることがあります。長時間眠ったつもりでも"良い睡眠"が得られていないため、日中の眠気により集中力や作業効率が低下します。深刻な例として、運転中の事故に結び付くことが知られています。


 取り扱いは簡単

 CPAP療法は、睡眠中に鼻に取り付けた専用のマスクから圧力をかけた空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐものです。安全性が高く、広く普及している方法で、病院で機器の取扱説明を受け、持ち帰って使用します。初めのうちはマスクの装着感や空気圧に違和感があるかもしれませんが、徐々に慣れていき、昼間の眠気から解放され、快適な日常生活が送れるようになります。


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 在宅で医療機器を使うのは難しいと考えている人が多いかもしれません。しかし、こうした医療機器は簡単に取り扱えるようになっています。手順に従って毎日の手入れなどをしっかり行えば、まず問題なく使えます。異常時のサポートには、機器を貸し出しているメーカーが24時間365日対応しています。


 今後、医療機器を在宅で安心・安全に使える環境が、さらに充実していくことでしょう。

(2012年11月24日号掲載)


=写真=丸山 卓也(臨床工学科主任=臨床工学技士)


 
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