043 しみ・あざ ~診断で異なる治療法 利点・欠点見極めて~

 しみはホルモンや紫外線の影響により皮膚表面にできる色素斑のことです。20〜30歳代の女性にできる目の外側などのしみ(肝斑(かんぱく)や高齢者にできるしみ(老人性色素斑)など、いくつかの種類があります。


 あざは皮膚の色や形の先天性の異常(母斑といいます)を指し、赤いあざ(血管腫)や青いあざ(異所性蒙古斑、太田母斑)、茶色や黒色のあざ(扁平母斑、色素性母斑)などがあります。また、内出血などにより生じた赤色や紫色の皮膚の変色のことも、あざと呼ぶ場合があります。


レーザー治療

 老人性色素斑にはレーザー治療がお勧めです。再発はほとんどなく、傷跡も残りません。ただ、治療後には傷の手当てと日焼け予防を確実に行う必要があります。そのほか、雀卵斑や光線性花弁状色素斑もレーザー治療の有効性が高いしみです。


 一方、肝斑や炎症後色素沈着は再発の可能性が高いため、レーザー治療は勧められていません。


 あざの中にもレーザー治療がよく効くものがあります。異所性蒙古斑や太田母斑といった青いあざにはレーザーが著しい効果を示します。赤あざ(血管腫)も9割以上の症例で有効とされています。ただし、これらは色が濃い場合が多いため、複数回の治療が必要となることがほとんどです。


様々な治療法

 ほくろ(色素性母斑)は、小さなものはレーザーで削る治療が有効ですが、大きなものや隆起したものには手術を行います。また、脂腺母斑は積極的に手術が勧められるあざの一種です。


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 一般に、しみやあざといわれるものの中には実に様々な色素斑が含まれており、その診断により治療法が異なります。また、使われるレーザー機器も多種多様で、それぞれに用途が異なります。治療法の利点・欠点をよく聞いた上で、治療を受けるかどうかを判断することが重要です。

(2013年3月23日号掲載)


=写真=滝 建志(形成外科部長=専門は形成外科全般)

 
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