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62 褒めたたえる歌 〜作詞は高野辰之〜

 松代町の象山神社で4月11日に開かれた春季例祭で、神官や参列者がそろって「象山佐久間先生」を褒めたたえる歌を歌った=写真。戦前から歌い継がれてきた歌詞と楽譜が松代公民館に保存されている。歌詞を紹介すると-。


一、識見、高邁、高所に立ち、寄来る波を見下ろして、開国進取を唱へたる、象山佐久間大先生


二、三十にしては一天下、四十にしては五大洲、それに繋はる我身ぞと、覚りて叫ぶ大丈夫


三、皇国の安危ここにあり、至誠に生きんと身を棄てて、荒るる船路の羅針盤、指す手違はぬ大活眼


四、象山の麓ここにして、天の霊寵享けし人、永久の栄の基説き、祀りも永久の大偉人


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 同神社は1938(昭和13)年に鎮座祭が行われ、このときできたのが、「象山佐久間先生」の賛歌。作詞は中野市豊田出身の高野辰之(1876〜1947)。「故郷」「朧(おぼろ)月夜」「春の小川」「もみじ」などの作詞で知られる。


 作曲は山田耕筰に次いで日本作曲界の礎石となった東京音楽学校講師の信時潔(のぶとききよし)(1887〜1965)。戦時歌謡の「海ゆかば」や、多数の校歌、社歌、団体歌などの作曲で知られる。


 このとき、作詞はもう一つあり、地元松代町出身で学習院名誉教授の飯島忠夫(1875〜1954)も作っている。結局、「飯島博士は神社の建設に関わったことから遠慮した」と言われている。


 1983(昭和58)〜86年に松代小学校長を務めた荒川修一さん(86)=松代殿町=は「戦前は運動会や催しに歌ったが、今は歌わない」とし、「有線放送で『象山佐久間先生』の歌を流したらどうか」と話す。


 同神社の春季例祭には約70人の役員らが参列。笙、篳篥(ひちりき)が醸す厳かな雅楽の後、象山の姿がよみがえるような男らしく元気のよい歌声が神社の森に響いた。

(2013年6月8日号掲載)

 
象山余聞