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09 〜巡回移動図書館車が活躍〜

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 旧長野県立図書館は1929(昭和4)年に開館、鉄筋コンクリート3階建てで、当時は全国的にも優れた建築物として有名であったが、戦後老朽化が進み、さらに利用者も増加し手狭となってきた。


 このため県図書館協議会は67(昭和42)年、県立図書館の早期全面改築を県議会に請願し採択された。


 ここで問題になったのは、敷地や図書館の機能・あり方。検討の結果、県立図書館の敷地は若里公園とし、市立図書館の敷地を長門町の旧県立図書館所在地に決定し、84(昭和59)年5月に起工式をし、翌年7月に完成した。


 新市立図書館は鉄筋コンクリート3階建て一部吹き抜けで、自然光を取り入れた。入り口も段差をなくし、屋外の読書コーナーも設け、視聴覚コーナーにはビデオディスク・ブースを設置した。貸し出し業務はコンピューターを導入し、南部図書館ともオンラインで結んだ。郷土資料室や親子図書室も開設した。


 07(明治40)年創立の私立篠ノ井通明図書館が23(大正12)年に公立通明図書館となり、66(昭和41)年には長野市との合併によって市立通明図書館と変わり、さらに79(同54)年に更級教育会館の跡地へ移転し市立南部図書館となった。


 ここで、長野市は特徴的なこととして"移動図書館"制度を取り入れ、移動図書館車「いいづな」を登場させた。


 この巡回移動図書館の活躍は市民の注目を集めた。「いいづな」は南部図書館を基地に市内6コース・30カ所の駐車貸出所を月2回巡回し、市民のための読書の機会を多くしようとする試みであった。


 その様子は次のようであった。

・巡回数 月2回

・貸出総冊数 図書約1万冊

・1台冊数 2000冊

・職員数 3人

・7〜3月の利用人数 2万8500人


 市民の要望に応えて市は77(昭和52)年に2台目の「いいづな」号を購入。約1万冊の図書を補充して6月から巡回を始め、78(昭和53)年には3台目の「いいづな」号が購入され、この事業は進展していった。

(2013年7月13日号掲載)


 ※「13代柳原正之」の項および「歴代市長とその業績」おわり

 (次回からは「善光寺地震の記録『むし倉日記』を読む)


=写真=1985年、長門町に完成した市立図書館