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30 虫倉山 ~連続する鎖場を登り切る~

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 快晴に恵まれた11月最初の土曜日、退職した会社の同僚だったT君と、北アルプス全山縦走経験を持つベテランのNさんと3人で虫倉山(1378メートル)に登った。

 T君は父親が中条出身で、子どものころから登りたかったが、機会がなかったという。彼を楽 しませるためにも、山頂へ直登する最難関の「さるすべりコース」を登り、帰路は不動滝へ下るルートにした。

 8時にT君の車で自宅を出発。途中でNさんを乗せて国道19号を中条へ。笹平から県道に入り、太田の水車小屋を目指す。かすんではいるものの、北アルプスを一望。仰ぎ見る虫倉山の紅葉が素晴らしい。

 まず下山口に車を置くため、不動滝コースの登山口へ。滝の手前の広場に10台ほど止まっていて、登山者の多さがうかがえる。トイレもある滝の先の駐車場に車を止め、さるすべりコースへの短絡路に入る。

 あまり利用されていないらしく、背丈以上ある草をかき分けて進む。10分ほどで、さるすべりコースに合流。このコースの登山口に当たる伊折虫倉神社まで下り、きょうの安全を祈願して9時50分に出発。

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 先ほどの合流点を過ぎ、周りの紅葉を楽しみながら尾根筋の快適な道を進む。最初の急斜面を登り切ると、虫倉神社の奥の院に。簡素な木造の祠(ほこら)の脇で小休止。

 ここから急登が始まる。高さ5メートルほどの岩場を鎖を頼りに登ると、胸突き八丁の急斜面が続く。しばらく、ドングリが落ちているミズナラ林の中を進むと、再び岩場が連続する。

 銀色に光る真新しい鎖を握り、足で登るというより、腕力で体を持ち上げる。途中、2メートルほどの岩を避けるため崖側に回り込んだところ踏み跡がなくなり、ルートを間違えたことが分かった。上部の登山道に戻るため、木の根をつかんで何とかはい上がったが、下へ滑り落ちていたら危なかった。

 さらに数カ所の鎖場を登り切ると、奥の院から約1時間で頂上に出た。それほど広くない山頂で、15人ほどが弁当を広げている。眺望は素晴らしい。南西に北アルプスの山並みが連なり、北には戸隠連峰から火打山、妙高山、黒姫山...。眼下には、中条から小川村にかけてオリンピック道路が走る。

 人が多いため、山頂から少し離れたカエデの木の下で昼食に=写真下。食べ終わるころ、Nさんが自分で焼いた茶わんに抹茶を入れ、和菓子まで出してくれた。山で風流なお茶が楽しめるとは思わなかった。

 帰路はさしたる難所もなく、足取りも軽く不動滝へ。サンショウウオがいるというので、滝の下で石をひっくり返してみたが、残念ながら見られなかった。
(2013年11月16日号掲載)

=写真1=連続する急な岩場を鎖を頼りに登る
 
中高年の山ある記