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32 北信濃十三仏霊場~松代から綿内へ3寺巡る

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 立冬が過ぎた11月8日、松代から綿内にかけて北信濃十三仏霊場の三カ寺を巡拝する。

 白装束でバスを松代総合病院前で降り、神田川沿いに西条地区へ進み、約40分で清水寺に着く。ここは北信濃十三仏霊場の五番札所で、没後五十七日を導く地蔵菩薩を奉置する。
 秋の彩りの山を背にした本堂で、50回目の命日を迎えた亡き祖母の真の成仏と一日の無事を祈願して般若心経を奉誦。

 東の皆神山に向かって約3キロメートル進み、源頼朝がこの地に立ち寄った時に知り合った美女が葬られたと伝えられる紅梅観音堂で小休止。

 豊栄の明徳寺を目指し真田街道を上る。小春空の下、巡礼鈴を腰に響かせての独り歩きだ。呼吸、心拍、足の運びに加えて、胸中の般若心経、右手の錫杖のリズムが心地よく和し、法悦の時間が過ぎる。

 1時間ほどで明徳寺に着き、本堂は今を盛りの紅葉を前にしてどっしりと構えている。ここは六十七日を導く弥み勒ろく菩薩を奉置する六番札所であるとともに、故栗林忠道硫黄島軍司令官の墓所があることで名高い。

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 弥勒堂で写経を納誦後、墓所で大日如来の真言を読誦し、故栗林陸軍大将の冥福を祈願。「国の為ため、重き務つとめを果し得で、矢や弾だま盡つき果て散るぞ悲しき」の名将の辞世は「3・11フクシマ」に向き合う私の心の琴線にふれた。雪化粧を始めた北アルプス連峰を一望しながら昼ひる餉げ。

 皆神山と尼厳山の間を通り、谷街道に向かう。寺尾城跡の六地蔵で小休止。綿内の十番札所正満寺を目指して歩を運ぶ。関崎の渡し跡で、滔々と流れる千曲川と北信五岳の大パノラマを楽しむ。川田宿を過ぎるとまもなく、正満寺の山門が目に入る。

 ここは、西方浄土世界を主宰する阿弥陀如来が三回忌を導く。夕暮れ迫る境内に佇たたずみ、思いは西のスペインの地にある。11月21日、日本・スペイン交流4百年の使節としてアストルガ巡礼団が来日し、山伏の先達として熊野古道を案内。亡き母は「同法の者として、厚く遇せよ」と私を励ました。

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 一日の無事の感謝と案内成就を阿弥陀如来に祈願し、納めとした。次は須坂、小布施の北信濃十三仏霊場をたどる。

 [北信濃十三仏霊場]
 十三仏詣まいりは、亡き者の初しょ七なの日かから三十三回忌まで十三の諸仏、諸菩薩の導きを受け真の成仏を願う祈願である。北信濃十三仏霊場は、1999(平成11)年に開設され、事務局は九番札所浄念寺(須坂市春木町455)に設置。

(2013年12月7日掲載)

写真上=市指定有形文化財の正満寺の山門
写真下=紅葉が鮮やかな六番札所の明徳寺
 
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