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31 子檀嶺岳 ~大展望が楽しめる里山~

 小春日和に恵まれた11月最後の日曜日、山仲間のK氏夫妻と青木村の子檀嶺岳(こまゆみだけ)(1223メートル)に登った。10年以上前に南側から登っているため、今回はルートを変えて東側の当郷管社(かんじゃ)コースから登ることにした。

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 9時に北長野駅前で合流。上信越道を坂城インターで降り、国道143号で青木村へ。村内の道の駅から望む子檀嶺岳は上部が岩壁帯で、「ミニ妙高山」を思わせる山容だ=写真右。

 国宝の三重塔で知られる大法寺入り口から西へ入り、突き当たりの管社集落にはトイレ付きの立派な登山者休憩所まである。その先の駐車場に車を置き、登山道入り口のイノシシよけとみられる金網のゲートを開けて出発。

 杉林を抜けると、北信ではほとんど見かけない立派な孟宗竹(もうそうちく)の林が現れる。しばらく平たんな尾根道が続き、落ち葉を蹴立てて快適に歩く。この時季の里山は雑木の葉が落ち、明るく見通しが良いのが何よりだ。

 樹林が赤松林に変わると、両側にテープが張られ、キノコの止め山となっている。もう遅いが、いかにもマツタケが出そうな林だ。途中のカーブに意味不明の文字が刻まれた石があり、3人であれこれ謎解きを試みたが分からずじまい。

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 しばらく進むと「強清水(こわしみず)」の看板があり、20メートルほど先に沢が流れている。その先の薄暗いヒノキ林を抜けると、広い林道に出た。案内に従って林道を300メートルほど下り、日だまりの落ち葉の中に腰を下ろして休憩。ここから先は急斜面となる。

 林道から再び登山道に入ると、立派な鳥居が現れる。この山は南側が岩壁のため、登山道は北側に大きく回り込み、ジグザグに登っていく。斜面には一面の枯れ葉の中にシダ類が点在し、そこだけ緑が目を引く。

 最後のやせ尾根を登り詰めると頂上だ。ここからの大展望は素晴らしい。眼下に村中心部を見下ろし、その先に塩田平が広がる。向こうには浅間山から烏帽子、湯の丸。左手には蓼科山から八ケ岳。
 
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 山頂の木製の祠脇で昼食を取っていると、居合わせた中高年グループから記念写真の撮影を頼まれた。東京の山の会のメンバー15人で、インターネットで信州の里山を調べ、バスを借り切ってやってきたという。みな口々に「いい山ねー」「素晴らしい景色」と感激の様子。その日は佐久のホテルに泊まり、翌日は上田の独鈷山(とっこさん)に登る―と話していた。信州は里山の評価も高まっているようだ。

 帰路は同じ道を下り、田沢温泉の湯を引いているという村中心部の「くつろぎの湯」で汗を流して長野へ。
(2013年12月14日号掲載)

=写真下=山頂から望む青木村や塩田平(中央奥は独鈷山、右に遠く蓼科山も)
 
中高年の山ある記