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12 光と雷鳴 震動 ~善光寺で多数の燐火出現~

 大地震の時は稲妻のような強い光と雷鳴があったという。この光は見た者と見ない者がある。私もその後、3度ばかり光を見たが、稲妻に似ているが、それとも違ったものである。それは陽気が発生したためであろう。

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 善光寺では、夜中にたくさんの燐(りん)火が出現して「助けてくれ、助けてくれ」と呼び叫ぶという。雨後はなおさら多いとのこと。数千の圧死者の出現。飯山では毎晩、オオカミが山から下って来て死人を掘り食うので、鉄砲をたくさん撃って脅しているという。

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 善光寺や飯山辺りの地震の様子を聞いたところ、前触れの震動がなく、一度にドンと大雷のような音とともに、家を押しつぶしたという。また、所によっては震動した後に砕ける場合もあって、一様ではなかった。

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 小市の船頭が2人で小屋にいたところ、大雷のような音とともに1人は土中に埋もれ、首だけ出し、1人は逃げ出して村に助けを求めた。やがて多人数を集めて首を出した人を掘り出したが、既に死んでいたという。

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 山平林の湛水(たんすい)は今後どうなるかについての諸説に次のようなものがあった(「むし倉日記」以外の言い伝えを含む)。

 (1)湛水が堰堤(えんてい)を乗り越えたときはそれが滝となり、だんだん崩れて、いつものような川の流れになるであろう。

 (2)1年半も過ぎれば抜け崩れるであろう(半年、1年などの説もあり様々)。

 (3)堰堤の場所が高いので、田ノ口(長野市信更町)の方にあふれて、鳥坂を越えて石川村に水が押し出すであろう。

 (4)(地理に詳しい者の説)岩倉の堰堤がいかに高くても水筋の変わるようなことはないので、来月の初めには水が乗れば滝になるというものが10人に9人ほどであった。
(2014年1月11日号掲載)