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14年1月-2 美しい言葉が表す 季節の移り変わり

 「暖鳥」「温鳥」。なんと読むか知っていますか。両方とも「ぬくめどり」と読み、冬の季語です。冬の夜、鷹(たか)が小鳥を捕まえて、その体温で自分の脚を温め、翌朝になると逃がしてあげる。そして、恩を返すために、その日は小鳥が逃げた方向へは行かないのだそうです。

 作られた話という説もありますが、情景が目に浮かび、温かな気持ちになります。

 日本にははっきりと移り変わる四季があり、日本人には昔から季節を豊かに捉える才能があるように感じます。季節を表す言葉が数多くあり、それが文学に関わる人たちだけでなく、広く共有されている国は世界でも珍しいと言われます。

 ちなみに、冬に飲む機会が多い「甘酒」ですが、冬の季語かと思えば、実は夏の季語です。昔は夏バテ対策に冷やした甘酒を飲んでいたそうで、今でいう栄養ドリンクのような存在だったようです。このように季語から、昔の生活を理解することもできます。

 移り行く季節とともに、四季に合わせた美しい日本語も、大切に守っていきたいですね。
(2014年1月25日号掲載)