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038 スペイン マヨール広場 ~歴史を刻む広場の賑わい~

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 イベリア半島最大の都市がスペインの首都マドリード。その中心地がマヨール広場だ。マヨールとは英語でメジャー(major)「主要な」を意味するスペイン語だ。

 イスラム支配下だったマドリードをキリスト教世界に取り戻したフェリペ3世が1619年に完成させた。広場中央には彼の騎馬像がある。

 縦122メートル、横94メートルの長方形の周囲には、四方に477もある窓がバルコニーで結ばれた4階建ての重厚な建物が配されている。石畳の広場は、国王の宣誓や闘牛をはじめ、火あぶりの刑など生々しい歴史を刻んでいる。3度の火災に遭い、現在の姿になったのは60年前の1953年だ。

 私は、クリスマスシーズンにここを訪れている。日本人の奥さんが経営する格安ホテルに3連泊した。その人は心配性で「クリスマスに外出するのは危険」という再三の警告にもかかわらず、出かけた。

 広場の人々はハイテンションだったが、出店などで賑(にぎわ)う広場は楽しいものだった。地元ばかりでなく、世界中から押し寄せた観光客と会話をしたり、写真を撮り合ったり、思い出深いクリスマスになった。

 確かに地元の人は家庭で静かに食事を楽しむのだが、若者や観光客はじっとしていられないのだろう。続々と繰り出してくる。

 オレンジ色の帽子を被っていたのはオランダからのグループ。その一人の若い男性は「同じヨーロッパでも、南のラテン系の国とは本当に文化も人の個性も違う。人生を楽しむという精神が根付いている」とうれしそうだ。

 日本に2年いたという女性は「日本人は真面目で好き。ヨーロッパ北部の私たちゲルマン系の国に似て合理的な考えを持っている。でもね、日本の道路を左ハンドルの車(外車)を運転している中年の人を何回も見た。日本車もたくさん使う私たちは、右側通行という道路事情が違うのに、右ハンドルの日本車を使うような不合理なことは決してしない」と手厳しかった。耳の痛い話だ。

 周囲は狭い路地が並び、バルなどの居酒屋風の店が軒を連ねる。そのバルで名物料理の牛などの胃袋を煮込んだカージョス・ア・ラ・マドリレーニョを食べながら、地元の若者たちとサングリア(赤ワインにオレンジなどを入れた果実酒)で乾杯した。 
(2014年1月18日号掲載)

=写真=マヨール広場で交流する人たち
 
ヨーロッパ美の旅