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21 勉強に向かう動機 ~「学ぶ」を楽しむ姿に 好奇心が芽生える~

 今回は、子どもが自分から勉強を始める「動機」についてです。

 「どうして勉強しなくちゃいけないの?」とお子さんに問われて返事に困ったことはありませんか? この問いに対して、「良い学校に入るため」と返事をすると、「じゃあ、良い学校に入ってどうするの?」「良い仕事に就くため」、「良い仕事って何?」「お金がたくさん稼げる仕事」などというやりとりが堂々巡りした末、「じゃあ、ぼく、お金なんかそんなにもらえなくてもいいから勉強したくない」と言い出して親子げんかになったりします。

変化して分かる
 この問いは、まだプールにも海にも入ったことのない子どもが「泳げることって何の意味があるの?

 何が楽しいの」と問うのと似ています。この問いに対して、「海で船が転覆したときおぼれ死なずにすむ」とか、「体力がつく」とかいう返事もあり得るでしょうが、最も的確な答えは「泳ぐ楽しさは、泳げるようになったら分かる」というものです。

 つまり、泳ぐ楽しさは「泳げるようになる」という「変化」が自分の中で起きてみないと分かりません。その変化を経験していない人に、その変化の後に味わうことのできる楽しさや、意味や価値を分からせることはできません。勉強も同じことです。

 では、どうしたらまだその楽しさを経験しておらず、したがって勉強することの意味も価値も分からない子どもを勉強に向かわせることができるのでしょうか。

 それは、周りの大人たちが、学ぶことを楽しんでいる様子を見せることが第一です。「お母さんは、本を読んでいる時、すごくうれしそうにしている」「パパは、図書館に行くのが好きでしょうがないらしい」というような姿を見るとき、子どもの胸の内に親たちが経験している「学ぶ」というゲームに加わってみたいという好奇心が芽生えてきます。

 そして、「学ぶって、大変な時もあるけれど、続けているとどんどん面白くなるらしい」という"信用"が背中を押し、子ども自身の意志で、学ぶ道を一歩一歩進ませる力となるのです。

 化粧品は、使ってみないうちは、記載してあるとおりの効果があるものなのかどうかは分かりません。しかし、使用してみた人の「このクリーム、すごくいいわよ」という喜びをみたとき、「使ってみようか」と思うようになったりするのです。勉強も同じです。お子さんを(生涯にわたる)学びというゲームに加わらせたかったら、まず、お母さん自身が(どんな内容でも)「学ぶって楽しい!」と感じることに夢中になることが肝心かもしれません。
(2014年1月25日号掲載)
 
続・たてなおしの教育