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34 大笹街道 南照寺へ ~十三仏霊場巡拝のけじめ~

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 寒の緩みを選び1月16日、中野市の二カ寺を巡拝し結願する。長野電鉄の延徳駅で降り、東へ間山地区に向かう。

 1時間ほど進むと、緩やかな坂となり、千曲川支流の篠ノ井川が清々しい瀬音を立てている。ここが間山地区で、高山村、山ノ内町境の雲井岳一帯の山々に囲まれ、杉の美林で知られている。

 南の高山村とは間山峠で結ばれ、峠の入り口に三番盛隆寺の禅寺特有の簡素な伽藍(がらん)が構えている。この寺は文殊菩薩が三七日の故人を導くとともに、曹洞宗の参禅道場で雲井岳禅林と呼ばれている。

 新雪を踏んで山門を入り、本堂で一日の無事を祈願して般若心経を奉誦。境内にはこの地区の杉の美林をたたえた「代々栄ふ 杉も花なり雲井岳」の句碑が立ち、その傍(かたわ)らで早めの昼餉を楽しむ。

 十三仏霊場巡拝もいよいよ大詰めを迎え、結願の十三番南照寺を目指す。新春の日差しを受け、雪化粧の高社山を正面にして休むことなく快調に、北へ足を運ぶ。

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 2時間ほどで中野の市街地に入り、北の松川地区へと進む。まもなく大きな御影石の門柱のお出迎えを受け、右に真言宗智山派南照寺、左は高井山本願院川東善光寺と刻されている。ついに結願の十三番南照寺への着到だ=写真上。

 ここは、虚空蔵菩薩が三十三回忌の故人を導き、北信濃十三仏霊場のゴールである。また、本尊の阿弥陀三尊と本堂の造りが善光寺式であることから、千曲川を挟み善光寺(長野市)に対し川東(かわひがし)善光寺と呼ばれ、あつい信仰を集めている。

 深閑とした本堂で虚空蔵菩薩と対座し、亡き祖母、父、母の真の成仏を心願して写経を奉誦。これまでに巡拝した12仏に思いを馳せながら、足を地に着けた祈りの意味について自問自答を繰り返す。

 鈴木栄昇住職から結願を証する納経帳(のうぎょうちょう)を手渡され、「一番の不動明王の導きによりスタートした追善供養の祈りは、ここの虚空蔵菩薩の導きで一つのけじめとなった」とのありがたい言葉を頂いた。私は法悦の中にある。

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 結願した納経帳を自宅の仏壇の位牌(いはい)に奉供するため、帰途に就いた。次は須坂市の臥竜山から坂田の天徳寺を巡る。
(2014年2月8日号掲載)

=写真=「北信濃十三仏霊場」結願の朱印
 
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