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70 象山暗殺シーンの錦絵



 「信州人が初めて目にするような佐久間象山に関する資料はないか」―。昨秋から京都の友人、知人に問い合わせ続けていた。吉報が届いたのは年末。「公益(財)『霊山(りょうぜん)歴史館』に連絡してみて」との知らせだ。調べた結果、象山暗殺シーンの錦絵3枚=写真・同歴史館提供=を所蔵中と判明、それを紹介する。

 同歴史館によると、資料名は「元治夢物語」で、寸法は縦が35センチ、横24センチ。作者は進斎年参(しんさいとしみつ、別名は進斎年光)。1878(明治11)年の発行で、出版人は(京都)愛宕町三丁目三番地、井澤菊太郎。骨董屋から買い入れたという。能書は―。

 冒頭は「象山ハ松代ノ人デ、修理ト号シ、博学、能文(文章が上手な人)」と記述。この後、京都では将軍や、皇族(朝廷の政治に参与される山階宮晃親王(やましろのみやあきらしんのう)に召される)に開国を唱えていた。その出立ちは西洋風の馬具を用いていたため攘夷論者に憎まれ、ついに兇漢(きょうかん)(悪者)が
 錦絵といえば花鳥風月が多く、暗殺場面は珍しいが、寄ってたかって象山を切り殺す光景には目を背けたくなる。

 同歴史館は、「先覚者のこころを若き人びとに伝える」を理念に幕末、維新期の歴史を、総合的に捉えて研究する専門的なミュージアムとして1970(昭和45)年、開館した。

 志士、大名、天皇、公家、文人、画家...らの遺墨、遺品、書状といった資料5千余点を保存、展示している。
(2014年3月8日号掲載)
 
象山余聞