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27 VIPを迎え ~両陛下も観戦に来県 よい思い出の昼食~

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 長野五輪開催期間中は、日本の皇族をはじめ各国の王室、閣僚など大勢の賓客をお迎えし、各種パーティーへの出席などで忙しい毎日でした。

 皇太子殿下と雅子妃殿下にもご出席いただいたパーティーで、私が英語でスピーチし、乾杯の後、皇太子さまとお話ししていると、雅子さまから「英語がお上手ですね。どこで勉強されましたか」と聞かれました。

 私は恐縮しながら、学生時代に勉強したことと、「五輪招致を始めてからはNHKラジオの朝の英会話講座を聞いています」とお答えしました。ありがたいお言葉で、自信もつきました。

 金獲得に盛り上がる
 天皇陛下や皇太子殿下のご来長の際は、知事と市長は長野駅へお迎えし随行するよう、言われました。2月10日、皇太子さまと雅子さまがエムウェーブで男子スピードスケート500メートルを観戦した時は、目の前で清水宏保選手が優勝しました。日本勢最初の日の丸を掲げてのウイニングランに、私も幸先が良いと感激しました。

 翌11日に皇太子ご夫妻は白馬村でノーマルヒルジャンプを観戦後、エムウェーブでスピードスケート女子3000メートルをご覧になりました。玄関でお見送りをしていると、飯綱高原のスキーフリースタイル・モーグルで里谷多英選手が金メダルを獲得したとの情報が入り、また盛り上がりました。

 天皇皇后両陛下は2月6日に来長され、両陛下主催のお茶会がありました。翌日の開会式で天皇陛下は、長野オリンピック冬季競技大会名誉総裁として開会宣言をされました。その後も来県され、スピードスケート・ショートトラック、アルペンスキーなどを観戦し、最後に閉会式に臨まれました。

 その間、両陛下と知事、市長の昼食の際は種々お話ができて、良い思い出になっています。両陛下は「『一校一国運動』は子どもたちのために、とても良い取り組み」と話され、評価していただきました。米国のアイスホッケーチームが負け、選手村で悔し紛れに窓ガラスを割った事件があり、米国人から天皇陛下宛てにお詫びの手紙が来たことも話されていました。

 皇后さまからは「五輪道路を造るときに切った樹木でコカリナを作られたそうですが、まだ売店にありますか」とのお尋ねがあり、後で山ノ内町の友野町長から頂いたコカリナを贈呈しました。閉会式に来られたときに「とても良い音色で皇居で楽しんでいます」とおっしゃられ、うれしく思いました。

 両陛下が白馬へ行かれるときには、七二会辺りの国道沿いで住民の皆さんが日の丸の小旗を振って歓迎しているのに応え、雪がさんさんと降る中、車の窓を開けて手を振り続けておられ、頭が下がりました。

 外国要人も次々訪問
 外国からは、ファン・カルロス・スペイン国王、カール・グスタフ・スウェーデン国王、ホーコン・ノルウェー皇太子、李・中国国務委員、ロイド・カナダ外相、パパンドレウ・ギリシャ外務副大臣など約50人の賓客が、観戦のために来日されました。ほかにも大勢の要人が訪れ、表敬訪問が相次ぎました。

 そんな中、旧ソ連から独立した国の首脳主催のパーティーが松代ロイヤルホテルであるのに、地元から誰も来ないのは困る―と在日大使から抗議され、私に至急行くよう連絡が入り、ほかの予定をキャンセルして急きょ駆け付けたこともありました。
(2014年5月24日号掲載)

=写真=皇太子様をお迎えして

 
塚田佐さん