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34 大峯山 太郎山 ~予定を変更して両山頂へ~

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 4月中旬の日曜日、山仲間3人で坂城町の大峯山(1327メートル)から上田市の太郎山(1164メートル)に登り、春の明るい尾根歩きを楽しんだ。

 8時に北長野駅前に集合。国道18号で上信越道の坂城インターへ。目指す大峯山は周辺の里山の中で最も大きく、坂城町の最高峰だ。

 インター上部の側道脇に車を止め、西尾根コースを登る。今冬の大雪で折れた枝や倒木が妨げとなって歩きにくい。1本のカラマツの幹に太いつるが食い込みながら巻きつき、まるで大蛇のようだ。

 尾根に出ると、道も落ち着き、陽光を浴びながらの快適な上りに。赤松林の中は松茸(まつたけ)山とあって、おびただしい量のビニールテープが木々に巻きつけてある。景観を損ねること、この上ない。

 そのうちに周囲は広葉樹林に変わり、最初のピークの軍人山と「おおでいら」と呼ばれる広地で小休止。このコースは標高差800メートルをほぼ直登するため、登りがいがある。急な斜面が多いが、すべて土の道のため歩きやすい。

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 最後の急登が終わると、頂上だ。南側に180度の展望が開け、右手に白銀の北アルプス、正面にまだ雪のある美ケ原、左手に蓼科山から八ケ岳、その左側には太郎山の先に千曲川の水面がきらめく。

 立派な石の祠(ほこら)がある山頂で昼食を取っていると、北側のコースから登山者が一人やって来て言葉を交わす。彼は6時に麓の坂城神社を出発、まず五里ケ峰に登り、鏡台山から大道山、水晶山を経て大峯山に到着。この後、太郎山から虚空蔵山(こくぞうさん)を回るという。

 この話に刺激され、我々も大峯山往復の予定を急きょ変更。目の前の太郎山まで行き、下山後タクシーで大峯山登山口まで戻ることに一決。体を横にしなければ降りられないような急斜面を慎重に下り、太郎山へ向かう。

 こちらも広葉樹林の中の快適な尾根歩きだ。途中、樹林の間から真っ白な根子岳と四阿山(あずまやさん)を望む。長野市から見るのと、ちょうど反対側だ。しばらく進むと、草むらに小さな石の祠があり、その前に倒れ掛かった鳥居が突っかい棒に支えられて立っている。

 1時間余で山頂に到達。眼下の上田市街地=写真右=を眺めた後、上田のタクシー会社に携帯で電話をし、45分後に登山口まで来てもらうことにする。遅れてはいけないため、ノンストップで下山。時間正確に間に合った。
(2014年5月3日号掲載)
 
中高年の山ある記