
所属する自然観察グループのメンバー6人で、大型連休明けの5月7日、小布施町の雁田山(759メートル)に登った。北信五岳を一望する大展望と、この時季は新緑に映える山ツツジが美しい。
雁田山は南端の採石場が痛々しい姿をさらしているが、西側から見ると雁(かり)が両翼を広げているように見えることが、山名の由来という。岩松院とすべり山の、どちらの登山口から登っても周回できるのがありがたい。
信濃吉田駅8時9分発の長野電鉄線で小布施駅へ。ここで全員が合流。どちらから登るかで意見が分かれたが、ツツジを見ながら登るには岩松院側からということで、タクシーで岩松院へ。

9時過ぎにスタート。いきなり急登になるが、一息で山城跡の小城に。さらに、もう一息で板状節理の岩場を越えて大城に。ここで大休止。
堀切を2カ所越えると、きつい上りに入る。ロープにつかまりながら、整備された木製の階段を一歩一歩登る。北斜面はつぼみだが、南斜面は山ツツジが咲き出す。高度を上げるにつれ、ナラやクヌギの新緑に濃い橙色の花が映える=写真下。
同行者から、山ツツジの花は食べられると聞き、口にすると酸味があって結構おいしい。上部はまだつぼみのため、花は長く楽しめそうだ。
一汗かいて急斜面を登り詰めると、北峰の千僧坊に。木々に囲まれた広地で、標高は783メートル。こちらの方が高いが、三角点は南峰にある。
ここからは多少のアップダウンがあるが、快適な尾根歩きだ。岩ゴロ道をしばらく進むと、目の前に見上げるような巨岩の姥(うば)石が現れる。東側に巻きながら再び尾根に出ると、ぱっと視界が開ける。

眼下に中野市の延徳田んぼを見下ろし、眼前には、北から斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯縄の北信五岳を一望する。姥石の脇では山桜が満開だ。
眺望を楽しんだ後、あずまやのある展望園地へ。ここからは180度の大展望だ。日当たりの良い尾根上で昼食兼宴会となり、快晴・無風の下でゆっくり2時間ほど過ごす。
重い腰を上げて歩き続けると、旧国鉄の無線電波反射板のあった草地に出る。ここが山頂なのだ。最後の展望を楽しみ、緑があふれる広葉樹林帯をどんどん下り、1時間ほどですべり山登山口に到着。帰路はのんびりと小布施の町中を駅まで歩いた。
(2014年5月24日号掲載)
=写真1=展望園地から北信五岳を望む