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25 やり続ける力 ~天才の「共通項」周りの人がどれほど励まし続けられるか~

 「うちの子は気まぐれで困る。宿題はちゃんとやったり、やらなかったり。習い事もいろいろに手を出すけれど続いたためしがない」と困っておられる方はいませんか?

 エリクソン(20世紀、アメリカの心理学者)は年齢に応じた成長の特徴を分析し、特に小学校の時期に成長を促すべきことが「勤勉性」であると言っています。

 「勤勉性」とは、「ものごとを継続的にやり続ける力」を意味します。具体的には、決まった時間に、宿題をこなす、手伝いをする、スポーツやピアノの練習をする、本を読むなど自分に課した、あるいは、課された勉強や仕事を毎日やり続けることです。

 では、遊び続けることもその一つかと問われそうですが、ここでいう「やり続ける力」とは、「一定の時間がかかり、少々面倒であり、忍耐を必要とする。そして、すぐには成果が見えない」というような特徴を持った、将来の実りに向けた仕事をコツコツとやり続ける力です。エリクソンは、小学生時代は、「やり続ける力」が最もつきやすい時期であり、この時期にこの力をしっかりつけることが、その子の心に生涯にわたる「ものごとを成し遂げる力、生み出す力」についての「自信」を生み出すことを指摘しています。

 マルコム・グラッドウェル(アメリカの雑誌「ニューヨーカー」のコラムニスト)は世界中のいわゆる「天才」と呼ばれている人々を調査し、その成功の裏に、いくつかの共通項があることを見いだしました。

 その共通項の一つが「やり続ける力」です。天才というと、努力とは関係なく、特別な能力のある人が、ある時、突然その能力を花開かせて、天才と呼ばれるようになる―というイメージを抱きがちです。しかし、多くの天才、成功者たちは、社会が振り向く業績を上げる以前に、最低1万時間、約10年間の「日々の訓練」期間を黙々と過ごしており、その努力は特別な能力を必要とするものではなく、誰でもがなしうる訓練である―というのです。

 「やり続ける力」とその力に基づく自信を養うには、やり続けて得られる「成果」よりも、「やり続けること」自体を周りの人間がどれほど励まし続けることができるかにもかかってきます。

 お子さんが今日の宿題をきちんと終えたら、それを当たり前のことと考えずに「今日も、頑張ってやり終えたね。えらかったね」と、親の方でも毎回「褒め続ける」ことが肝心です。
(2014年5月31日号掲載)
 
続・たてなおしの教育