10 豊野駅 ~郷土の魅力 見つめ直して

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 豊野町の全家庭にこのほど、写真集が1冊ずつ無料で配布された。「豊野百景―あんなとこ こんなとこ―」。発行は豊野地区住民自治協議会。住民が撮影した町内の風景が100点収められている。

 プロジェクトが始まったのは5年前。「町に活気がないのではないか、地域を元気にする方策はないか、がスタートだった」。当時の豊野町公民館長で豊野百景編集委員長の宮本義彦さん(70)は振り返る。

 同自治協が2011年度に地区内全世帯を対象に行ったアンケート調査では、同地区の現状について「他の地区と比べ元気がない」と答えた人が70%に上っている。

 宮本さんらが目を付けたのは、公民館報「とよのかんぽー」に1990年から11年間連載されていた「豊野百景」だった。その後、地区内には新たに農地を貫く道路が通り、住宅団地が造成され、金沢に向かう新幹線の高架が造られるなど、町は変化している。「住民の関心が高かった『百景』を新たに公募することで、住民自身がもっと町が好きになり、郷土愛がでてくるのでは、と考えた」

 選定推進委員会が写真を募集すると、住民約50人から700点以上の写真が寄せられた。委員会が季節や地域の偏り、重複がないよう絞り込み、町文化祭では住民の人気投票も実施。最終的に100点を選んだ。

 写真集は、飯山街道の趣を残す街並みや寺社、特産のリンゴ畑、地区内から見える山などを7の地区ごとに載せ、撮影地を示す地図も付けた。信越線や飯山線の鉄路と車両が写るカットも8点が収められ、鉄路が同町の風景に欠かせない存在であることを伝えている。

 「天下の絶景じゃないが、足元をよく見てみれば『いい所じゃないの』と思ってもらえると思う。百景を巡って地区内を歩いたり、絵を描いたり、地域活性化につながるアイデアのもとになればいい」
 豊野町公民館はさっそく本年度、百景を巡る散策の催しを2回開催する予定だ。


写真:斑尾山をバックに浅野を走る電車の写真も。解説文に「間もなく『しなの鉄道』に引き継がれる信越線。この列車も見納めになるのか。」とある
(竹内大介)
(2014年9月13日掲載)